弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

日本病院薬剤師会,院内製剤の安全指針をまとめる

NHK「院内製剤の安全指針まとまる」(2012年7月31日)は,次のとおり報じています.

「市販されていない薬などを病院の薬剤師が独自に作る「院内製剤」について、日本病院薬剤師会は、事前に病院の倫理委員会などで承認を受け、使う際には文書で患者に説明して同意を得ることなどを盛り込んだ安全指針をまとめました。

「院内製剤」は、患者の数が少ない病気で薬がなかったり、市販されていても薬の量や形などが患者に合わなかったりする場合に、病院の薬剤師が独自に複数の薬や研究用の「試薬」などを使って作るものです。
院内製剤がきっかけで、製薬メーカーが製品化するケースもある一方で、院内製剤は薬事法には規定がなく、作り方や使い方、品質の管理などは、それぞれの病院に任されているのが実情です。
ことし2月には、名古屋大学医学部附属病院で、有効成分が少ない不妊治療薬を50人余りに投与していたことが明らかになりました。
このため、日本病院薬剤師会は、院内製剤を適正に行い、安全に使うための指針を初めてまとめました。
指針では、治療や診断が目的で、人体への影響が大きいものについては、事前に病院の倫理委員会で承認を受け、文書で患者に説明して、同意を得るよう求めています。
また、使用期限や保管方法などを記した文書を作ることや、1年に1回は有効性の評価を行うことなどを定めています。
日本病院薬剤師会は、この安全指針に沿って、それぞれの病院内のルールを整えるよう、呼びかけることにしています。」


日本病院薬剤師会は,3月末に指針づくりを決め,7月末に指針をまとめたのですから,迅速な対応といえるでしょう.この指針が遵守され,患者の安全に寄与することを期待いたします.

谷直樹

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by medical-law | 2012-07-31 08:02 | 医療