弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

福岡県医師会,診療所などに死因調査を支援するチームを派遣

西日本新聞「患者の死因究明に調査班 福岡県医師会「遺族の疑問に対応」(2012年9月11日)は,次のとおり報じています.

「手術やお産など医療を受けている過程で亡くなった人の死因を究明するために、福岡県医師会は診療所(医院)などを対象に、院内における死因調査を支援するチームの派遣に乗り出した。福岡県では2007年から死因を究明する第三者機関が活動しているが、診療所単独での利用はなかった。診療所は医師が少なく院内調査が十分できないなどの事情があるとみられ、県医師会は「死因に疑問を持つ家族に誠実に応え、もしミスがあった場合は再発防止につなげたい」という。

 医療現場での患者の死は、病気や体調の急変によるものか、医師のミスによるものなのか判断が難しいことがあり、いつまでも気持ちの整理がつかない遺族もいる。

 第三者による死因究明は厚生労働省の補助事業として05年に始まり、現在は日本法医学会など19学会でつくる日本医療安全調査機構が全国10地域で行っている。九州では福岡県で07年、佐賀県で11年9月に始まった。

 患者の死について疑問があれば、医療機関が遺族の同意を得て機構に調査を依頼。法医学者や専門医が立ち会って解剖し、死因についての報告書をまとめて遺族と医療機関に説明している。医療ミスと判断されれば医師法に基づき警察に通報するなどの措置を取る。

 機構によると、今年8月末までの調査依頼は全国で180件。ほとんどが病院からで、診療所からは5件。福岡県では全9件のうち診療所からの依頼はなかった。

 診療所からの依頼が少ない背景には、機構に頼むにはまず院内に調査委員会をつくり、その結果を添付しなければならないことがある。

 診療所とは、無床または19床以下の小規模な医療機関をいう。医師が1人だけの所も多く、人的な余裕がない上に「自分で自分の調査をすることは客観性に無理がある」(福岡県医師会)というわけだ。

 こんな実情を念頭に県医師会は、基幹病院の医師や看護師など7~8人の支援チームをつくり、診療所などに派遣することにした。聞き取りや資料収集のほか遺族対応もサポートし、機構への調査依頼を促す。

 まずは、医師不足が指摘され訴訟も多い産科の支援を急ぐ方針。県内の産科医院には会報などで周知し、制度を活用するための研修会を開く。上野道雄常任理事は「事故の再発や紛争の長期化を防ぎ、医療者側も患者側も納得できる仕組みを目指したい」と話す。

 死因を調査してほしい遺族は、原則として診療所や病院を通して申し込む。」


福岡県医師会の取り組みは評価できます.他県の医師会にも検討いただきたいですね.

谷直樹

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by medical-law | 2012-09-11 19:21 | 医療事故・医療裁判