弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

国立大学法人山形大学医学部医学科の学生が窃盗容疑で逮捕(報道)

読売新聞「医学部の女学生を窃盗容疑で逮捕…山形」(2012年10月19日)は,次のとおり報じています.
 
「同級生のかばんから財布を盗んだとして、山形署は17日、山形大学医学部医学科5年××××容疑者(22)(山形市桜田西)を窃盗容疑で逮捕した。

 同大生の逮捕者は今年度4人目。結城章夫学長が16日の記者会見で謝罪し、学生に対する指導強化の方針を表明したばかり。在校生からは「ここまで不祥事が続くと、就職活動に影響するのでは」と不安の声も聞こえる。

 同署などによると、××容疑者は9日午後1時半~2時15分頃、同市飯田西の山形大医学部校舎1階女子更衣室で、ロッカー内にあった同級生の女子学生(22)のかばんから、現金数百円や保険証などが入った財布(約2万5000円相当)を盗んだ疑い。

 財布がなくなったことに気付いた女子学生が更衣室を探し××容疑者のかばんの中から財布を見付けた。調べに「つい盗んでしまった」と供述しているという。

 同大では今年4月以降、窃盗や住居侵入などの疑いで、すでに学生3人の逮捕者を出している。また、同大付属中学校の元教諭が4月に県青少年健全育成条例違反容疑で、9月には同大付属病院の医師が道交法違反(酒気帯び運転)容疑で、それぞれ逮捕されている。

 16日の会見で「大変異常な事態で、深刻な状況」などと謝罪したばかりの結城学長は18日、今回の事件について「極めて残念なこと。状況を把握して対応したい」とのコメントを出した。同大総務課は「学生に指導を行っている最中の出来事で大変残念。さらに学生に対する指導を厳しく徹底する」と話した。

 相次ぐ不祥事に、地域教育文化学部3年の女子学生(20)は「また学生が逮捕されたと聞いて驚いている。就職活動が控えているので、悪いことで大学名が出て、自分の評価にも影響しないか心配」と表情を曇らせる。人文学部2年の男子学生(19)は「個人の問題という部分もあるが、何か起きそうな時は、周りの人も注意しないといけない」と話した。」


大学の学生処分規定では,刑事上の罪等を犯し当該学生も認めているとき又は刑事上の処分が確定したときは退学処分と定めていることが多いので,山形大学もそのような規定をおいているとすれば,この学生は退学処分となる可能性が高く,その場合はそもそも医師国家試験を受験できない,ということになります.

さらに,医師法第4条は,
「次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
1.心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
2.麻薬、大麻又はあへんの中毒者
3.罰金以上の刑に処せられた者
4.前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者」
と定めています.

この学生が起訴されて罰金以上の刑に処せられると,医師になれない場合もありうるのです.

なお,先日,都立広尾病院の研修医医局内で同僚医師の財布から現金を盗んだ疑いで研修医が逮捕されたという報道がありましたが,医師になってから窃盗罪を犯すと,医道審の行政処分の対象になります。傷害・恐喝・窃盗で医業停止1年の先例がありますから,窃盗のみのならもっと軽い処分ですむでしょう.

医学部学生の窃盗と医師の窃盗とでは,扱いが異なります.
若年で可塑性に富む医学生に対するほうが,より軽くてもよいようにも思いますが.

酒気帯び運転の報道は,次のとおりです.

毎日新聞「酒気帯び運転:容疑で山形大医師を逮捕 大学関係で今年3件」(2012年9月15日)は,次のとおり報じました.

「山形署は14日、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで、山形市飯田西2、医師で山形大付属病院放射線診断科医員、×××××容疑者(43)を現行犯逮捕した。

 逮捕容疑は、同日午前2時20分ごろ、自宅近くの市道で、酒気を帯びたまま乗用車を運転したとされる。同署によると、パトカーで巡回中の同署員が蛇行する×××容疑者の車を見つけ停車するよう呼び掛けたが、しばらく走行を続けたため職務質問した。呼気からは1リットルあたり0・15ミリグラムを超えるアルコールが検出された。

 山形大では、今年に入り酒気帯び運転の疑いで1月に職員、7月に医学部の男性助教がそれぞれ摘発されており3件目。

 医学部は7月に続き2件目となったことから14日に全職員を対象とした緊急連絡会を開き、久保田功・医学部付属病院長は「命を守る医者としてあるまじき行為。高いモラルを持つことが大事」と話した。また結城章夫学長は「大変深刻な事態と考えている。再発防止に向け、一層努力する」とコメントした。【前田洋平】」

酒気帯び運転もですが,患者にとっては,酒気帯び手術もこわいです.

谷直樹

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by medical-law | 2012-10-19 11:42 | 医療