弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

九州大学病院,患者138名の個人情報が含まれた個人所有のUSBメモリを紛失

九州大学のサイトに,「個人情報が含まれたUSBメモリの紛失について」が掲載されています.


「1.経緯
 11月1日(木)20時40分頃,医学系学府博士課程の大学院生が,九州大学病院前の道路を徒歩で帰宅していたところ,バイクに乗った二人組に,患者さんの個人情報が含まれたUSBメモリを入れていたショルダーバックをひったくられました。ひったくりの直後に警察へ通報し,被害届・盗難届を提出しましたが,現時点においてUSBメモリは発見できておりません。
 なお,紛失したUSBメモリにパスワードは設定しておりませんでした。

2.紛失した個人情報の内容
 紛失したUSBメモリには,当該学生が学会発表のために九州大学病院のメディカル・インフォメーションセンターに抽出を依頼したプログラフ(免疫抑制剤)内服中の患者さん(138名)のデータが入っていました。当該データの内容は,氏名,患者番号,性別,生年月日,プログラフの内服量,処方医の氏名,入院外来の別の情報でした。
 なお,現時点においては,紛失した個人情報の転載や流用の事実は報告されておりません。」

「再発防止に向けた今後の取り組み」については,「本学では,これまで個人情報保護の適切な管理に取り組んでまいりましたが,このような事態を招いたことを深く反省し,学生,職員等に対して個人情報保護の重要性を再度徹底し,再発防止に努めてまいります。」というだけです.

アメリカでは,個人情報の紛失事故は高額の民事賠償責任を生じます.
USBメモリへコピーするときに自動的に暗号化するソフトを導入するなど,具体的な再発防止策が必要と思います.

◆ 昨年6月以降の個人電磁情報の紛失事故

2011年 6月
慶應義塾大学病院スポーツ医学総合センター
北海道大学病院

2011年7月
医療法人 柏堤会(財団) 戸塚共立第1病院
藤田保健衛生大学病院
昭和大学歯科病院

2011年8月
筑波メディカルセンター病院

2011年9月
千葉県精神科医療センター
鹿児島大学病院

2011年10月
JA茨城県厚生連茨城西南医療センター病院
独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター
独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院
大和市立病院

2011年11月
独立行政法人国立病院機構金沢医療センター

2012年1月
医療法人聖愛会
独立行政法人国立病院機構千葉医療センター
独立行政法人国立病院機構宇多野病院
東京女子医科大学附属八千代医療センター

2012年2月
京都府立洛南病院(ただし一時紛失)
岡山大学病院
藤沢市民病院
長崎大学病院

2012年3月
日本赤十字社医療センター

2012年4月
ごう在宅クリニック(札幌)
静岡県立病院機構静岡県立総合病院
広島大学病院
福岡大学病院

2012年5月
福岡大学病院

2012年7月
日本大学歯学部付属歯科病院

2012年8月
名古屋大学医学部附属病院

2012年9月
沖縄県立中部病院
福岡歯科大学医科歯科総合病院

2012年10月
医療法人社団恵仁会セントマーガレット病院
東京医科大学病院
昭和大学病院附属東病院

2012年11月
九州大学病院

谷直樹

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by medical-law | 2012-11-15 00:48 | 医療