弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

小児と薬情報収集ネットワーク事業スタートへ

小児と薬情報収集ネットワーク事業スタートへ_b0206085_18352876.jpg厚生労働省医薬食品局安全対策課は,2012年12月14日,「小児と薬情報収集ネットワーク事業」を、平成24年度より開始した,と発表し,同月27日に,第1回検討会を非公開で開催しました.

厚労省のサイトによると,背景・概要・目標は次のとおりです.

背景】
小児用医薬品は、安全性・有効性の評価が難しいこと、治験が難しいこと、採算性が乏しいことなどから、医療現場では小児用量が設定されていない医薬品を投与量を減らすなどして使用されている。ライフ・イノベーションの推進により新薬等の開発、供給が進むことが予想されるが、小児に対しても安全に医薬品等を投与できる環境を整えることは次世代育成支援の観点からも重要である。

【概要】
「小児と薬情報センター」を設置し、必要なデータベースの開発を行い、全国の小児医療機関等からなる小児医療機関ネットワークを活用して、副作用情報や投与量情報などを収集する体制を整備する。

【目標】
小児医療機関ネットワークを活用し、小児に対する医薬品の投与量、投与方法と副作用等の発現状況を収集するとともに、それらを分析、評価するデータベースを整備することにより、小児用医薬品の安全対策のさらなる向上を目指し、小児用医薬品の開発にも貢献する。 」



「小児と薬情報収集ネットワーク事業 小児と薬情報収集システム検討会」のメンバーは次のとおりです.

林邦彦氏 群馬大学大学院保健学研究科 教授
中川雅生氏 滋賀医科大学医学部付属病院臨床研究開発センター センター長
伊藤進氏 香川大学医学部小児科学 教授
林昌洋氏 国家公務員共済組合連合会虎の門病院 薬剤部長
松井陽氏 独立行政法人国立成育医療研究センター 病院長
松井健志氏 独立行政法人国立循環器病研究センター研究倫理研究室 室長
高松昭司氏 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 安全第二部長
西田朗氏 東京都立小児総合医療センター 院長
康井制洋氏 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター 総長
福澤正洋氏 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター 総長



第1回検討会の模様はわかりませんが,NHK「国が子ども用の薬を情報収集へ」(2013年1月2日)は,次のとおり報じました.

国は、東京・世田谷区にある「国立成育医療研究センター」の中に「小児と薬情報センター」を設置し、全国の子どもの治療を行う専門病院から、子どもが使っている薬について情報収集して分析する事業を、ことしから本格的に始めることになりました。具体的には、子どもに対してどの薬をどれぐらいの量使ったか、そのときに、発熱や発疹などの副作用とみられる症状が出たかどうかなどについて情報を寄せてもらい、データベース化して関係者が閲覧できるようにするということです。
当面、子どもの感染症の薬について、比較的規模が大きい全国数か所の病院から情報収集し、順次、診療所などにもネットワークを広げていく方針です。そして、集まった情報を基に、薬の安全性を評価するほか、子どもの薬の開発にも役立てて、子どもが安全に薬を使える体制を目指すということです。」


小児の薬で医療事故,医療訴訟がおきていますので,この事業により小異の薬の安全性が確保されることを期待いたします.

谷直樹

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by medical-law | 2013-01-02 18:11 | 医療