弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

静脈内鎮静法を用いた準強制わいせつ容疑で戸頭歯科クリニック院長の歯科医が逮捕される(報道)

読売新聞「麻酔で女性をうつろに、歯科医がわいせつ行為」(2013年1月31日)は,次のとおり報じました.
 
歯の治療と称して知人女性に麻酔を点滴し、わいせつな行為をしたとして、茨城県警取手署は30日、東京都文京区本駒込、「戸頭歯科クリニック」(取手市戸頭)院長の歯科医師××××容疑者(40)を準強制わいせつ容疑で逮捕した。

 発表によると、××容疑者は茨城県内の20歳代の知人女性に「投薬で気分をリラックスさせる静脈内鎮静法で治療させてくれたら、無料にする」と持ちかけ、今月21日夜、同クリニックで麻酔を点滴して意識をもうろうとさせた女性にわいせつな行為をした疑い。室内では2人きりだったといい、調べに「間違いありません」と容疑を認めているという。

 静脈内鎮静法を治療に取り入れている大津歯科医院(茨城県守谷市)の大津義重院長(54)によると、静脈内鎮静法は、点滴で鎮静薬などを投与することで、患者をうつらうつらした状態にさせ、歯の治療に対する患者の不安や恐怖心、緊張感を取り除く方法。高血圧や心疾患といった全身疾患のある患者には、降圧剤を点滴に混ぜるなど必要な処置を取ることもできるといい、大津院長は「非常に有効な麻酔法なのに、こんな悪用をするなんてとんでもない」と話している。」


戸頭歯科クリニックのHPによると,診療室の入り口まで車をつけることができ,受付を通らず,治療,帰宅も可能な完全個室もあるとのことです.たしかに,プライバシーは保たれますが.

なお,一般社団法人 日本歯科麻酔学会「歯科診療における静脈内鎮静法ガイドライン」(2009年9月)によれば,静脈内鎮静法は,患者の意識を失わせることなく,有意識下で安全で円滑に歯科治療を行うための患者管理法として開発,発展してきたそうです.
静脈内鎮静法にはリスクもあり,全身状態の管理が必要ですから,静脈内鎮静法を用いた治療には複数の歯科医師の関与が望ましいでしょう.

【追記】

FNN「女性患者にわいせつ行為を繰り返していた歯科医師の男を再逮捕」(2013年2月20日)は次のとおり報じました.

麻酔薬で意識をもうろうとさせ、患者の女性にわいせつな行為を繰り返していた歯科医師の男が、再逮捕された。
再逮捕された歯科医師・××××容疑者(41)は、茨城・取手市にある自らが経営する歯科医院で、2012年12月17日と2013年1月18日の2回にわたって、患者の20代女性に麻酔薬を注射し、意識をもうろうとさせ、胸をさわるなどのわいせつな行為をした疑いが持たれている。
調べに対して、××容疑者は「間違いない」と容疑を認めているという。
××容疑者は、別の20代女性に対して、同様の手口でわいせつな行為をしたとして、1月30日に逮捕されていて、警察は余罪がなかったか引き続き捜査している。」


【再追記】

朝日新聞「歯科医、麻酔かけわいせつ容疑 被害者15人分追送検へ」(2013年5月12日)は,次のとおり報じました.

「茨城県取手市の歯科医院で、歯科医が女性患者らに麻酔をかけて胸をさわるなどのわいせつな行為を繰り返していたことが、茨城県警への取材でわかった。すでに20代の女性2人に対する準強制わいせつ容疑で逮捕、起訴されている。県警は、被害者は10~40代の二十数人に上るとみており、被害届が出された約15人分について近く追送検する方針。

 歯科医は東京都文京区本駒込6丁目、××××被告(41)。公判では起訴内容を認めている。」

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2013-01-31 23:44 | 医療