弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

中津川市民病院,鼻からチューブを挿入し出血,気道確保に約13分かかり低酸素状態の事案,和解(報道)

読売新聞「医療ミスで重体女性側に賠償金」(2013年2月7日)は,次のとおり報じました.

「中津川市民病院示談成立
 中津川市民病院は6日、甲状腺がんの摘出手術をした同市内の女性(69)が意識不明の重体となったと発表した。病院は医療ミスを認め、女性と家族に対し、賠償金4000万円を支払うことで示談が成立したという。

 同病院の発表よると、女性は2008年3月23日、呼吸困難で救急外来の内科を受診し、甲状腺がんと診断されて入院。4月7日、外科の男性医師(47)が、がんの摘出手術をしようとした際、気道確保するため鼻からチューブを挿入したところ、鼻から出血した。出血の措置に手間取り、気道確保に約13分かかった。そのため、脳に酸素が供給されない低酸素状態で、女性は意識不明となったため、がんの摘出は中断した。

 記者会見した浅野良夫院長は「医師の注意義務違反による過失が原因。本人と家族に深くおわび申し上げます。今後、再発防止に努めたい」としている。」


(1)鼻からチューブを挿入する際に出血させ,(2)出血の措置に手間取り,そのために気道確保に約13分かかり低酸素状態にさせた事案です.本件の結果と因果関係のある最終過失(注意義務違反)は出血の措置に手間取ったことでしょう.仮に出血の措置に注意義務違反がなければ,鼻からチューブを挿入する際に出血させたことが本件の結果と因果関係のある最終過失(注意義務違反)となるでしょう.

注意義務違反があるだけでは医療過誤とは認められません.
注意義務違反と因果関係と損害の3要件がそろってはじめて医療過誤が認められます.
本件は注意義務違反があり,因果関係もあり,損害もありますので,医療過誤と認められます.

谷直樹

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by medical-law | 2013-02-10 23:44 | 医療事故・医療裁判