弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

青森県立中央病院,カテーテルで誤って動脈を傷つけ急性動脈血栓症を発症した事案,提訴される(報道)

読売新聞「治療ミスで女児の腕壊死、両親が賠償求め県提訴」(2013年2月13日)は,次のとおり報じました.

 「青森県立中央病院で2008年2月、超未熟児として生まれた女児の右腕が壊死(えし)して切断手術を余儀なくされたのは、主治医が必要な治療を怠ったことなどが原因だとして、女児の両親が病院管理者の県を相手取り、約9400万円の損害賠償を求める訴訟を青森地裁に起こしたことがわかった。

 病院側は医療過誤を認めているが、和解に向けて協議中だとしてミスを公表してこなかった。

 訴状によると、女児は同年1月、体重405グラムで出生。順調な経過をたどっていたが、主治医が2月、点滴のため右手の静脈にカテーテルを挿入しようとした際、誤って動脈を傷つけたことから急性動脈血栓症を発症。さらにこの主治医が発症を見逃して必要な投薬治療を怠ったため、右腕が壊死した、と主張している。女児は現在5歳。

 同病院は手術後の08年3月、院内の医療事故対策委員会を開催。主治医らへの聞き取りなどの結果、「一定の過失がある」と結論づけ、損害賠償の支払いに向けた協議を始めたが、損害額の算出方法を巡って両親側と意見が折り合わなかったという。

 同病院経営企画室は取材に対し、「訴状を精査している」と答えるにとどめ、事故対策委員会が結論づけた病院側の過失の内容や程度についてはコメントできない、としている。」


注意義務違反(過失)と因果関係と損害が認定できる事案でも,病院側の対応によっては,提訴せざるをえないこともあります.本件は2008年の事案ですから,本来であれば訴訟前に早期に解決できてよい筈なのですが,訴訟前の早期解決を阻む事情があるのでしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2013-02-13 17:25 | 医療事故・医療裁判