弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

全国腎臓病協議会,重度の認知症で判断能力を失った場合透析を続けたいかアンケート調査

b0206085_1135294.jpgNHK「透析 3割“重い認知症で中止を”」(2013年2月15日)は,次のとおり報じました.

「腎臓病などで人工透析を受けている患者の3割が、将来重い認知症になったときには透析の中止を望んでいることが、医師や患者の団体の調査で分かりました。
調査を行った専門家は「高齢の透析患者は増えており、本人の希望が尊重されるような仕組みを整備する必要がある」と指摘しています。

この調査は、腎臓病の患者らで作る「全国腎臓病協議会」が昨年度行ったもので、全国の透析患者7784人が回答しました。
この中で、重度の認知症で判断能力を失った場合、透析を続けるかどうか聞いたところ、「続けたい」と答えた人は33%、「中止したい」は30%、「希望はない」は32%でした。
年齢別では、30代から50代までは、中止を希望する人が続けたいと答えた人を上回りましたが、60代以上では、続けたいと答えた人が上回りました。
高齢者の透析を巡っては、日本透析医学会が先月、患者に判断能力があるうちに、終末期の治療について希望を書いてもらい、医師はそれを尊重すべきだという提言案をまとめています。
調査を行った杉崎弘章医師は、「中止を希望する患者が3割というのは少なくないが、現状では、法的な問題もあり、簡単には中止できない。高齢の透析患者は増えており、本人の判断が尊重されるような仕組みを整備する必要がある」と話しています。」


ニュースのタイトルは,「中止したい」に焦点をあてていますが,
重度の認知症で判断能力を失った場合,「透析を続けたい」が33%,「中止したい」が30%と,全体で「透析を続けたい」のほうが多く,しかも60代以上ではさらに「透析を続けたい」が多い,という結果です.
現在,患者本人の判断能力が失われると中止できず,判断能力が失われる前の患者本人の意思が重要となりますが,年齢が上がるにつれ「透析を続けたい」が多くなるという調査結果は,患者本人の意思確認が容易ではないことを示している,と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2013-02-15 07:21 | 医療