弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

千葉地裁平成25年2月15日判決,日本医科大学千葉北総病院で顔のまひを抑える手術で軽度難聴の事案(報道)

東京新聞 「日本医科大学に 100万円賠償命令 医療過誤訴訟」(2013年2月16日)は,次のとおり報じました.

「手術ミスで難聴になったとして、日本医科大学(東京都)が運営する千葉北総病院(印西市)の患者だった千葉市の男性(56)が大学に約三千七百万円の支払いを求めた訴訟が千葉地裁であり、白石史子裁判長は十五日、男性の主張を一部認め大学側に百万円の賠償を命じた。

 判決によると、二〇〇〇年十一月に行った顔のまひを抑える手術で、左耳の骨に手術器具が触れて骨が損傷し、男性は軽度の難聴などの後遺症を負った。病院側は男性に骨の損傷を説明しなかった。

 損害額は後遺症の程度などから算出された。大学側は取材に「判決文が届いておらず事実関係を確認できていない」と話した。」


軽度難聴というと,一般に,26~40dBHL(WHO分類), 30dBHL~45dBHL,30dBHL~50dBHLあたりです.

1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度(1耳の平均純聴力が40dBHL以上70dBHL未満)になったものが14級3号とされています.14級の慰謝料は,自賠責基準で75万,裁判基準で110万円です.
本件は軽度難聴というだけで具体的に何dBHLなのか不明ですが,ぎりぎり14級か非該当のように思われます.

なお,裁判所に提出する訴状には,請求額に応じて印紙を貼りますが,3700万円の請求ですと印紙代は13万1000円になります.

私は,ほとんどすべての訴訟で,160万円の一部請求で提訴します.
160万円の一部請求ですと印紙代は1万3000円です.

ボーナスがはいったとき,あるいは証人尋問のあとなどに,追加の印紙を貼って,請求を拡張することもできます.請求拡張は何回でもできます.
請求を拡張しないで160万の勝訴判決をもらった場合,控訴して請求を拡張できます.

時効の点さえ気をつければ,一部請求は合理的な節約方法です.

谷直樹

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by medical-law | 2013-02-18 09:46 | 医療事故・医療裁判