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広島大学病院,また個人情報を含むUSBメモリを紛失

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国立大学法人広島大学は,平成25年3月22日,「個人情報を含むUSBメモリの紛失について」を発表しました.

今回は,広島大学病院の医師が,平成25年3月,広島大学病院の患者265名分の個人情報を含むUSBメモリを紛失したというものです.
「当該医師が,臨床研究に活用するため,電子カルテを参考に資料を作成し,論文や実験データと併せて,USBメモリに保存しておりました。平成25年2月28日(木),当該医師がUSBメモリを研究室で使用後,院内において紛失したものと思われます。当該医師からの報告に基づき,紛失したと思われる場所を探してまいりましたが,現時点において発見に至っておりません。」とのことです.

大学病院に限れば2件ですが,広島大学全体では,個人情報を含むUSBメモリ・ノートパソコンの紛失がたびたび起きています。

平成20年3月15日,広島大学留学生センターの教員が,749名の学生の個人情報が入った大学の備品のノートパソコンをベルギーで電車移動中に盗難により紛失しました。

平成22年8月1日,広島大学大学院教育学研究科の教員が,834名分の個人情報を含む個人所有のUSBメモリを紛失しました。

平成24年4月16日,広島大学病院の看護師が,広島大学病院の入院患者(285名分)及び看護師(30人名)等の計315名分の個人情報を含むUSBメモリを病院内で紛失しました.
「当該病院の看護師が,患者さんの病床管理を行うことを目的として資料を作成し,これらのデータをUSBメモリに保存しておりました。平成24年4月16日(月)夕方,当該看護師がUSBメモリをスタッフステーション内のパソコンに接続して資料作成をした後,紛失したものと思われます。」とのことです.

同年同月同日,広島大学ナノデバイス・バイオ融合科学研究所の教員が,ベルギーで昼食中に,1,005名分の個人情報を含む,大学の備品のノートパソコンを盗難により紛失しました。

同年11月,広島大学大学院理学研究科の教員が,帰省中に,203名分の個人情報が含まれているUSBメモリを紛失しました.


広島大学による「再発防止への取り組み」は,その都度以下のとおり発表されています.

◆ 平成20年4月4日

「本学としては、当該教員に対して訓告を、当時の上司に対して文書による厳重注意の処分を行いました。
また、今後、個人情報の適正な取扱いについて一層の注意喚起のため、研修等を強化し、再発防止に努めます。」


◆ 平成22年9月14日

「(1)本日付けで,個人情報の管理の徹底について,教職員に対し注意喚起を行ったところです。
(2)これまで,全教員に対してセキュアUSBメモリを配付してきましたが,さらに,その使用について徹底してまいります。
(3)引き続き,研修等を通じて,教職員に対して個人情報の適切な取扱いについて法令遵守を徹底してまいります。」


◆ 平成24年4月27日

「当該病院の保有する患者さんの個人情報の保護につきましては,かねてより教職員に対し,厳正な取扱いの周知徹底を図っておりましたが,このような事態が二度と起こらないよう,個人情報の適正な管理について,以下のとおり教職員にあらためて注意喚起等を行いました。今後も継続して再発防止に取り組む所存です。
(1) 4月27日付けで,個人情報の管理の徹底について,教職員に対し注意喚起を行いました。特に,当該病院の教職員・院生等に対しては,4月23日付けで病院長から,個人情報の取扱いについて注意喚起を行いました。
(2) これまで,全教員に対してセキュリティを強化したUSBメモリを配付してきましたが,さらに,その利用範囲の拡大と使用の徹底を図ります。
(3) 引き続き,教職員の研修等を通じて,法令を遵守した個人情報の適切な取扱いに万全を期してまいります。」


◆ 平成24年5月11日

「(1) 本日付けで,再度,個人情報の管理の徹底について,教職員に対し注意喚起を行いました。
(2) 引き続き,研修等を通じて,教職員に対して個人情報の適切な取扱いについて法令遵守を徹底してまいります。」


◆ 平成24年11月16日

「(1)本学では,セキュアUSBメモリの教職員への配布や在学生・教職員への情報セキュリティ教育を進めて参りましたが,本日付けで,再度,個人情報の管理の徹底について,教職員に対し注意喚起を行いました。
(2)引き続き,研修等を通じて,教職員に対して個人情報の適切な取扱いについて法令遵守を徹底してまいります。」


◆ 平成25年3月22日

「当該病院の保有する患者さんの個人情報の保護につきましては,かねてより教職員に対し,厳正な取扱いの周知徹底を図っておりましたが, このような事態が二度と起こらないよう,個人情報の適正な管理について,以下のとおり教職員にあらためて注意喚起等を行いました。今後も継続して再発防止策に取り組む所存です。
(1)3月21日付けで,病院長から当該病院の教職員・院生等に対し,個人情報の管理徹底について,注意喚起を行いました。
(2)大学全体としては,本日付けで,個人情報の管理の徹底について,教職員に対し注意喚起を行ったところです。これまで,セキュアUSBメモリの配付対象教職員の範囲を拡げ,在学生・教職員への情報セキュリティ教育を通じて,個人情報管理の徹底を図ってまいりましたが,引き続き,研修等を通じて,教職員等に対して個人情報の適切な取扱いについて法令遵守を徹底してまいります。」


アメリカでは,個人情報の紛失事故は高額の民事賠償責任を生じます.
実効的な再発防止策を検討すべきではないでしょか.
USBメモリへコピーすると自動的に暗号化されるソフトを導入するなど,実効的な再発防止策が必要と思います.


◆ 2011年6月以降の個人電磁情報の紛失事故

2011年 6月
慶應義塾大学病院スポーツ医学総合センター
北海道大学病院

2011年7月
医療法人 柏堤会(財団) 戸塚共立第1病院
藤田保健衛生大学病院
昭和大学歯科病院

2011年8月
筑波メディカルセンター病院

2011年9月
千葉県精神科医療センター
鹿児島大学病院

2011年10月
JA茨城県厚生連茨城西南医療センター病院
独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター
独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院
大和市立病院

2011年11月
独立行政法人国立病院機構金沢医療センター

2012年1月
医療法人聖愛会
独立行政法人国立病院機構千葉医療センター
独立行政法人国立病院機構宇多野病院
東京女子医科大学附属八千代医療センター

2012年2月
京都府立洛南病院(ただし一時紛失)
岡山大学病院
藤沢市民病院
長崎大学病院

2012年3月
日本赤十字社医療センター
国立大学法人高知大学医学部

2012年4月
ごう在宅クリニック(札幌)
静岡県立病院機構静岡県立総合病院
広島大学病院
福岡大学病院

2012年5月
福岡大学病院

2012年7月
日本大学歯学部付属歯科病院

2012年8月
名古屋大学医学部附属病院

2012年9月
沖縄県立中部病院
福岡歯科大学医科歯科総合病院

2012年10月
医療法人社団恵仁会セントマーガレット病院
東京医科大学病院
昭和大学病院附属東病院
浜松医科大学医学部付属病院,浜松医療センター

2012年11月
九州大学病院
東京慈恵会医科大学附属柏病院

2013年2月
札幌医科大学附属病院

2013年3月
広島大学病院

谷直樹

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by medical-law | 2013-03-24 02:22 | コンプライアンス