弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

八重瀬会同仁病院,生体腎移植の提供者が出血多量で死亡(報道)

NHK「生体腎移植 腎臓提供の母親が死亡」(2013年4月18日)は,次のとおり報じました.

「沖縄県浦添市の病院で、今月13日に息子に腎臓を提供するため摘出手術を受けていた65歳の女性が、腎臓周辺からの出血が止まらなくなり、そのまま亡くなっていたことが分かりました。
生体腎移植で臓器の提供者が死亡したのは国内で初めてです。

亡くなったのは、息子に腎臓を提供するため、今月13日に浦添市にある八重瀬会同仁病院で腎臓の摘出手術を受けた、沖縄県内に住む65歳の女性です。
病院などによりますと、腎臓の摘出は内視鏡の一種の腹くう鏡で行われ、手術開始からおよそ3時間半後に出血が止まらなくなり、輸血や血を止める処置を繰り返したものの、女性はそのまま死亡したということです。
右の腎臓を体の外に取り出そうとしたときに、周辺の複数の血管から出血が始まったということで、病院では、腎臓を取り出す際の処置に問題があったとみて調査しています。
摘出された腎臓は待機していた43歳の息子に移植され、順調に機能しているということです。
この病院では、今回を含めこれまで28例の生体腎移植を実施しています。
病院の照屋一夫事務局長は「腎臓の提供者が亡くなってしまい、結果を重く受け止めている。ミスがあった可能性も含め調査を行いたい」と話しています。
日本移植学会によりますと、生体腎移植は国内でこれまで2万例以上行われていますが、臓器の提供者が死亡したのは初めてだということです。
生体肝移植では、平成14年に京都大学附属病院で娘に肝臓の一部を提供した女性が、9か月後に死亡したケースがあります。」


事故調査による事故原因の究明に期待いたします.

【追記】

時事通信「医療ミスと認定せず=生体腎移植初のドナー死亡?沖縄」(2013年7月3日)は,次のとおり報じました.

「今年4月、沖縄県浦添市の医療法人八重瀬会同仁病院で生体腎移植の提供者(ドナー)の女性=当時(65)=が死亡した事故で、外部調査委員会(代表・市田隆文日本移植学会理事)は3日までに、死亡を医療ミスとは認定せず、手術に伴う血管損傷が原因だったとする調査報告書を取りまとめた。同病院が同日、記者会見して公表した。
 国内で2万例以上行われた生体腎移植で、初のドナー死亡例だった。病院側は報告書を受け入れ、生体腎移植を当面、自粛するとした。
 女性は4月13日、腎不全の長男(43)に腎臓を提供するため、腹部に小さな穴を開けてカメラや器具を入れる腹腔鏡手術中、大量出血し死亡した。調査委は、腹部内に手を入れ、腎臓を体外に取り出す経路を確保する際、モニターに映らない状況で指を動かしたため動脈を傷つけ、出血を招いたと判断した。」



共同通信「病院長は移植の手術ミス否定 沖縄、生体腎提供者死亡で」(2013年7月4日)は,次のとおり報じました.

「沖縄県浦添市の八重瀬会同仁病院で生体腎移植の提供者(ドナー)の女性=当時(65)=が死亡した問題で、山内英樹院長が3日、記者会見し、執刀医が指で動脈(血管)を傷つけ大量出血につながったのが死因だとする外部調査委員会の調査結果を公表した。

山内院長は手術ミスではないと説明し、出血後の対応も「迅速だった」と話した。一方「深くおわび申し上げる」とあらためて陳謝、生体腎移植と泌尿器科分野での腹腔鏡下手術を当面、自粛することを明らかにした。

日本移植学会によると、国内での生体腎移植の実施例は約2万件あるが、提供者の死亡は初めてだった。」



NHK「腎移植で死亡 誤って動脈損傷が原因」(2013年7月3日)は,次のとおり報じました.

「ことし4月、沖縄県の病院で息子に腎臓を提供するため手術を受けていた65歳の女性が大量出血を起こし死亡した事故は、医師が誤って動脈を傷つけたことが原因だったとする調査結果を、外部の専門家で作る調査委員会が公表しました。

沖縄県浦添市にある八重瀬会同仁病院では、ことし4月、65歳の女性が息子に腎臓を提供するための手術中に腎臓周辺から大量出血を起こし死亡しました。
これは国内で2万例以上行われている生体腎移植で、臓器の提供者が死亡したことが明らかになった初めてのケースで、外部の専門の医師で作る調査委員会が原因の調査を進めてきました。
その結果、「内視鏡の一種の腹くう鏡に、周囲の血管の位置などが写っていない状態で処置を進めた結果、執刀医が誤って指で血管を傷つけたことが大量出血の原因だった」とする調査結果をまとめ、3日病院側が公表しました。
調査結果について、同仁病院の山内英樹院長は「このような重大な結果を招いたことは、本当に申し訳なく、病院側の道義的な責任は大きいと考えている」と述べ、改めて謝罪しました。
女性が死亡したことを受けて同仁病院では、当分の間、生体腎移植の手術を行わないということです。」


読売新聞「医師の指で動脈に傷、腎移植提供者死亡 病院が報告書」(2013年7月4日)は,次のとおり報じました.

「沖縄県浦添市の医療法人・八重瀬やえせ会同仁病院で4月に行われた生体腎移植で、提供者の女性(当時65歳)が亡くなった問題を巡り、同病院は3日、腎臓を取り出す際、誤った方向に執刀医の指が入り、動脈が傷付いて死亡したとする外部調査委員会の報告書を公表した。山内英樹院長は「事故を起こしたことを深くおわびする。報告書の内容はすべて受け入れる」と陳謝し、当分の間、腎臓移植手術を自粛する考えを示した。

 外部調査委員会のメンバーは市田隆文・日本移植学会ドナー安全対策委員長ら4人。報告書によると、女性の左腎臓を息子(43)に移植するため、4月13日に女性からの摘出手術が行われた。執刀医は腹部に開けた小さな穴からカメラや鉗子かんしなどを入れて行う腹腔鏡ふくくうきょう手術で腹膜などを剥がした後、腎臓摘出のため下腹部の切開部から手を入れた。その際、動脈を損傷し大量出血が起きた。女性は出血による心不全などで死亡したとみられる。

委員会は、腹腔内のカメラに執刀医の手元が映らない「盲目的操作」が行われたと指摘。その上で「そうした操作はできる限り回避することを再認識すべきだ。腹腔鏡手術で問題が生じそうな場合、迅速に開腹手術に切り替える必要がある」などと提言した。」



沖縄タイムズ「動脈切断で大量出血 腎移植手術死調査」(2013年7月4日)は次のとおり報じました.

「浦添市の八重瀬会同仁病院は3日、今年4月に実施した生体腎移植の手術中、提供者(ドナー)の女性=当時(65)=が死亡した事故の調査結果を発表した。死亡原因となった大量出血について、執刀した主治医(56)が腎臓を取り出すルートを作るために腹膜の後ろ側に手を差し込んだ際、内腸骨動脈を切ったことが直接の原因だったと断定した。山内英樹院長(66)はミスとの認識を示さず、「医療事故であり、手術の合併症だ」と主張。親族の男性は「単純なミスならお粗末だし、そうでなくても許せない」と話した。

 同病院は事故後、山内院長を委員長に、日本移植学会が推薦した外部委員4人を含む調査委員会を院内に設置し、事故原因を調べて報告書にまとめた。

 報告書によると、4月13日の手術では、腹腔(ふくくう)鏡を使い、摘出する左の腎臓から血管や尿管をはがす段階まで異変はなかった。その後、下腹部を約8センチ切り開いて主治医が右手を入れ、腎臓を体外へ取り出すルートを確認した後、右手を引き出した際に大量に出血した。

 報告書は「(主治医の)指が誤った方向へ進んだことと、腹腔内カメラの視野に指が確認されるまでのわずかの間の操作で動脈を損傷した」と指摘。下腹部から腎臓までの8~10センチのうち、腹腔鏡のカメラで映せない部分があり、その間に動脈を傷つけたと結論付けた。」



谷直樹

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by medical-law | 2013-04-18 17:55 | 医療事故・医療裁判