弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

西毛病院の看護助手が傷害の疑いで逮捕,患者は死亡(報道)

医療法人大和会西毛病院の看護助手が,入院患者を2013年5月7日に頭を殴り意識不明の重体にさせたとして,2013年5月7日,傷害の容疑で逮捕されました.患者は同日死亡しました.

msn産経「入院患者殴られ意識不明の重体 病院職員を逮捕」(2013年5月7日)は,次のとおり報じました.
 
「精神疾患で入院中の男性患者(69)を殴り、意識不明の重体にさせたとして、群馬県警富岡署は7日、傷害の疑いで、群馬県安中市松井田町二軒在家、病院職員、×××容疑者(23)を逮捕した。

 逮捕容疑は5日午後7時10分ごろ、群馬県富岡市の「西毛病院」で、個室に入院していた男性患者(69)の頭などを拳で殴った疑い。富岡署によると「おむつの交換中に暴れたため、腹が立った」と容疑を認めている。

 同病院によると、看護師が5日夜、患者の顔が腫れているのに気付いた。××容疑者が殴ったことを認めたが、「緊急性はない」と判断。患部を冷やしただけで、警察に届けなかった。6日早朝、患者がベッドでぐったりしているのに別の看護師が気付き、病院に搬送後、同署に通報した。

 ××容疑者は看護補助で、シーツやおむつの交換を担当していた。」



NHK「 殴られ意識不明の患者が死亡」(2013年5月7日)は,次のとおり報じました.

「群馬県富岡市の病院で、精神科の病棟に入院していた69歳の男性が病院の職員の男に顔を殴られた傷害事件で、男性は7日夜、搬送先の病院で死亡し、警察が詳しい死因を調べることにしています。

群馬県富岡市の「西毛病院」では、5日の夜、精神科の病棟に入院していた69歳の男性の顔を殴ってけがをさせたとして職員の×××容疑者(23)が7日傷害の疑いで逮捕されました。
病院によりますと、殴られた男性はほおを冷やすなどの処置を受けていましたが、6日、ぐったりしているのが見つかりました。
意識不明の重体となって別の病院で手当てを受けていましたが、警察によりますと、7日午後7時前に死亡したということです。
警察の調べに対し、××容疑者は「身の回りの世話をしていた際に暴れたので腹を立てて、やった」と話しているということです。
警察は男性の遺体を調べて、殴られたことが死亡とどの程度関係しているか詳しく調べることにしています。」


精神科病棟に入院している患者の身の回りの世話は大変だと思います.もし看護助手が激高し暴力をふるったとすれば,看護助手の仕事から生じるストレスの影響が考えられるでしょう.病院としては,ストレスに曝されやすい立場にある職員が,弱い立場の患者に暴力をふるうことのないよう,環境を整備し,職員の精神面の健康管理に努めるようにすべきでしょう.
また,自身の身体の状況を十分伝えることのできない精神疾患のある頭部外傷患者について,CT検査等を実施できる病院を受診させることなく,ほおを冷やすなどの処置で十分だったか,慎重に検討すべきでしょう.


【追記】

msn産経「元病院職員に懲役3年 男性患者への傷害致死」(2013年10月15日)は,次のとおり報じました.

「群馬県富岡市の病院で、精神疾患で入院中の男性=当時(69)=を殴り死亡させたとして、傷害致死の罪に問われた同県安中市の元病院職員、×××被告(23)の裁判員裁判で、前橋地裁は15日、懲役3年(求刑懲役5年)の判決を言い渡した。

 半田靖史裁判長は判決理由で「手加減なく殴っており、高齢で体の弱い男性にとっては強烈だった」と指摘。男性に顔をたたかれ、かっとなった偶発的犯行だったと認めたが、1年半以上の病院勤務歴を挙げ「酌量の余地はない」とした。

 判決によると、広川被告は5月5日、入院中の男性の顔を1回殴り、同7日に死亡させた。」



谷直樹

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by medical-law | 2013-05-08 01:05 | 医療事故・医療裁判