弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

平成24年の医事関係訴訟(地裁民事第1審)

最高裁のサイトに,先月,平成24年の医事関係訴訟(地裁民事第1審)に関する統計が掲載されました.

1.医事関係訴訟事件の処理状況及び平均審理期間

2.医事関係訴訟事件の終局区分別既済件数及びその割合

3.地裁民事第一審通常訴訟事件・医事関係訴訟事件の認容率

4.医事関係訴訟事件(地裁)の診療科目別既済件数

平成24年の医事関係訴訟(地裁民事第1審)の新受が793件,既済が844件でした.
訴訟前の示談交渉がまとまらず,医療ADRも応諾してもらえないなどの事情でやむなく訴訟となるのでしょうが,さすがに793件は多いように思います.今後,医療ADRの充実により,医事関係訴訟が減ることを期待します.

平成17年以降,裁判所が新しく受ける件数(新受)より事件が終了する件数(既済)のほうが多い状態が続いています.裁判所に医事関係事件が滞留しているということはもはやないようです.
平成24年の平均審理期間は,24.5月です.

平成24年の医事関係訴訟(地裁民事第1審)の判決は,319件・37.8%と,平成23年(294件・36.7%)より,判決件数・判決率とも上昇しています.
認容率(原告勝訴)率は,22.6%と平成23年(25.4%)より下がっています.
医事関係訴訟は,裁判上の和解で終わることも多いのですが,依然として,原告(患者)側にとって厳しい状況が続いていることが分かります.

谷直樹

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by medical-law | 2013-06-10 07:39 | 医療事故・医療裁判