弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

補助金を受けた医療分野でのIT活用に関する研究で,詐欺の疑い(報道)

読売新聞「東大教授、架空業務発注2180万円詐取…逮捕」(2013年7月26日)は,次のとおり報じました.

 
「厚生労働省の補助金を受けた研究事業を巡り、架空業務を発注し東京大学と岡山大学から計約2180万円をだまし取った疑いがあるとして、東京地検特捜部は25日、東大政策ビジョン研究センター教授の××××容疑者(55)(東京都杉並区)を詐欺容疑で逮捕した。

 ××容疑者は容疑を否認している。特捜部は××容疑者が関与した研究について、他にも架空発注がなかったかどうか調べている。

 発表などによると、××容疑者は2010年3月~11年9月、IT関連会社など6社の社長ら6人と共謀。自分が主導する医療情報システム研究事業などに絡み6社に業務を発注したように装い、各社から虚偽の納品書や請求書などを提出させる手口で、東大から7回にわたり計約1890万円を各社の口座に振り込ませてだまし取った疑い。

 さらに、共同研究者がいた岡山大学からも10年2~3月、同様の手口で約290万円を詐取した疑い。××容疑者は詐取した金の一部を手数料などとして各社に渡し、残り約2000万円を私的な飲食費などに充てていたという。共謀の6人は関与が従属的だったとして、逮捕は見送られた。

 架空発注があったのは、厚労省の委託を受けたり、同省の科学研究費補助金が使われたりした複数の研究事業。いずれも、××容疑者が専門とする医療分野でのIT活用に関するものだった。同省によると、××容疑者は1997年度以降、39の研究事業に携わっていたという。東大のホームページなどによると、××容疑者は83年、徳島大医学部を卒業。米国マサチューセッツ工科大学客員教授などを経て、09年8月に東大教授に就任した。」


疑いがあるというだけで,事実関係は未詳です.
業務発注が「虚偽」か否かが問題になるでしょう.さすがにまったく何も業務発注がされていないはずはないでしょうから,業務発注の内容,納入された成果物がどのようなものだったのかが重要になると思います.


【追記】

NHK「東大教授の弁護士「詐欺ではない」」(2013年7月26日)は,次のとおり報じました.

「東京大学の教授が架空の業務発注をして2100万円余りの研究費をだまし取ったとして逮捕された事件で、教授の弁護士が26日記者会見を開き、「研究費はすべて研究のために使われていて詐欺には当たらない」と反論しました。

東京大学政策ビジョン研究センターの教授、××××容疑者(55)は、おととしまでの2年間に医療分野のIT化の研究に関する業務などを知り合いの業者に発注したように装い、2100万円余りの研究費をだまし取ったとして詐欺の疑いがもたれています。
××教授が発注した業務は、業者からさらに教授の家族が経営する会社に外注されていて、研究費の大半がこの会社に流れていたことから、東京地検特捜部は教授側に資金を環流させる目的の実態のないものだったとみて調べています。
これについて、××教授の弁護士が26日会見を開き、家族の会社は実際に業務を行っていて、詐欺には当たらないと反論しました。
この中で弘中惇一郎弁護士は、「みずからの研究に関して家族の会社が業務を受注したことを説明していなかったのは倫理上の問題があるかもしれないが、刑事責任を問うものではない。受け取った研究費も技術者の人件費などすべて研究のために使われている」と説明し、××教授が容疑を否認していることを明らかにしました。」



谷直樹

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by medical-law | 2013-07-26 08:26 | コンプライアンス