弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

大阪市立大学調査報告書、ノバルティスファーマ元社員が非常勤講師の肩書で研究参加は大学側にも責任あり

msn産経新聞「降圧剤データ改竄 大学調査委「大阪市大にも責任」 無給講師の活動放置」(2013年8月23日)は、次のとおり報じました.

 
「高血圧治療の降圧剤「ディオバン(一般名・バルサルタン)」の臨床研究の論文データ不正操作問題をめぐり、販売元の製薬会社ノバルティスファーマ(東京)の元社員が大阪市立大学の非常勤講師の肩書で研究に参加していた問題で、同大の調査委員会は22日、勤務実態を把握しないまま放置した大学側に責任の一端があるとする調査報告をまとめた。

 報告書によると、元社員は平成14年4月に無給の非常勤講師として採用。25年3月までの11年間で1度しか講義を行っていなかった。また、本来は論文発表の際には大学側の了承を得なければならないが、元社員はまったく届けていなかった。

 有給の非常勤講師の場合は、講義実績などで活動を把握できるが、無給の場合は放置状態で、調査委は「勤務実態がほとんどないにもかかわらず、長期間非常勤講師としていた大学側にも原因がある」と指摘した。同大によると、約430人の無給の非常勤講師のうち23人の勤務実態が把握できておらず、今後、勤務実態が確認できる人のみを採用するよう制度を見直すとしている。

 また、ディオバンに関する論文の著者らに聞き取りを行った結果、元社員はノ社のグループマネージャーと同大非常勤講師の肩書を併記した名刺を持参して面会していたことが判明。5大学の研究者8人中6人が、元社員がノ社の関係者と感じていたと回答した。

 元社員も調査委の聞き取りに対し、「市立大の所属を使うことは論文の著者にもノ社にも都合がよかった。ノ社は黙認していたと思う」と話したといい、大学側は近く、正式にノ社などに抗議するとしている。」


「Kyoto Heart Study 等の論文共著者に関する」調査報告書」の要点は以下のとおりです.

「1.バルサルタンの臨床研究への関わりについて、本学は当該臨床研究に一切関っていない。
2.本学の肩書きが使われたことに関して、ノバルティスファーマ社、ノバルティスファーマ社元社員、臨床研究論文の研究責任者・論文執筆者のそれぞれに抗議をすべきであると考える。
3.一方、許可なしに本学の肩書きが利用された原因の一端は、ノバルティスファーマ社元社員を10年以上勤務形態の実態を確認せず、非常勤講師として認め続けていたことにもあると考える。

2.今後の対応について
1.調査委員会の報告・提言を踏まえ、ノバルティスファーマ社、ノバルティスファーマ社元社員、研究責任者・論文執筆者に対して正式に抗議します。
2.非常勤講師(無給)の委嘱については、当該委嘱期間中に講義・実習等の具体的な予定が確認できる者のみを委嘱するなどの見直しを図るとともに、非常勤講師全体のガバナンスを強化して、より透明性の高い人事制度を構築し、再発防止に努めます。」


谷直樹

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by medical-law | 2013-08-27 01:05 | 医療