弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

大垣市民病院,卵巣摘出の左右変更の説明がなされなかったこと(説明義務違反)で和解(報道)

毎日新聞「医療事故:大垣市民病院、卵巣摘出でミス 市と患者が和解」(2013年8月27日)は,次のよおり報じました.

「大垣市は26日、市民病院で2011年10月に行われた卵巣摘出手術で、女性患者(43)や家族の同意なしに予定していた右の卵巣ではなく左の卵巣を摘出した医療事故で、慰謝料など325万円を支払うことで女性側と和解したと発表した。関連議案を9月議会に提出する。

同病院によると、女性は子宮腺筋症で子宮を摘出する予定だった。手術の3カ月前にMRI検査で右の卵巣に腫れが見つかり、子宮とともに摘出することになった。10月に手術した際、右でなく左の卵巣が腫れて大きくなっていたため、執刀医が本人や家族に説明せずに左の卵巣を摘出した。術後に本人と家族から「右と左を間違えたのではないか」などの申し入れがあったという。

病院は症例検討会や外部委員を交えた検討会を開催。医師から患者や家族に変更の説明がなされなかったことは説明義務違反に当たると判断し、慰謝料を含む325万円の和解金を払うこととした。

再発防止策として病院は、手術の同意書をより詳細にしたと説明している。【山盛均】」


記事の表題は「ミス」となっていますが,検討会の結論は「説明義務違反」(卵巣摘出の左右変更の説明がなされなかったこと)です.

左の卵巣が腫れていて左の卵巣を摘出したというのが事実であれば,「ミス」 というより「説明義務違反」のほうがあたっていると思います.
そうすると,本件は,説明義務違反で325万円の和解金を支払った事例ということになります.


谷直樹

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by medical-law | 2013-09-26 02:14 | 医療事故・医療裁判