弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

群馬大学医学部付属病院、患者2人の個人情報を共有サイトにアップした医師を医師を懲戒解雇

弁護士毎日新聞「群馬大:患者2人の個人情報をネットに 医師を懲戒解雇」(2013年9月30日9は、次のとおり報じました.

「群馬大は30日、医学部付属病院の患者2人の個人情報をインターネット上に流出させたとして、同病院の30代の男性非常勤医師を懲戒解雇し、在籍する同大大学院も退学処分にした。群馬県警は9月上旬、この医師を国立大学法人法(秘密保持義務)違反容疑で前橋地検に書類送検している。

 同大によると、医師は今年1月、研修医だった2007〜08年に担当した患者2人の氏名や病歴、治療経過などが書かれた「病歴要約」をファイル共有サイトにアップロードし、インターネット上で閲覧できる状態にした。同大の調査に対し、医師は故意で行ったことを認めたが、「なぜ流出させたかはよく覚えていない」と話しているという。【喜屋武真之介】」


国立大学法人法 第十八条は 「国立大学法人の役員及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。」と定めています.

同法第三十八条は「第十八条(第二十六条において準用する場合を含む。)の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と定めています.


本ブログ「群馬大学医学部附属病院の患者個人情報流出,故意の可能性(報道)」ご参照

医療等に関する情報の機微性を踏まえれば、漏洩の被害は重大ですが、過失による漏洩すべてについて刑事罰を科することになれば、医療等の情報の利活用に対する萎縮につながる可能性があると考えられ、過失による情報漏洩一般について、刑事処罰規定はありません.
ちなみに医師法第三十三条は「第三十条の規定に違反して故意若しくは重大な過失により事前に試験問題を漏らし、又は故意に不正の採点をした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と定め重過失による試験問題漏洩を処罰する規定をおいていますが、これは医師の試験問題に限った例外的な規定です.

本件の医師が患者の個人情報を故意にインターネットにアップしたとされてますが、どうしてそのようなことをするのか不可解です.

谷直樹

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by medical-law | 2013-10-01 01:30 | コンプライアンス