弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

CDC「手洗いが命を救う」,先生,ここへ来る前に手を洗ったかどうか尋ねてもよろしいですか

WSJ「病院はなぜ患者から医師に「手を洗いましたか」と尋ねさせるのか」(2013年 10月 2日)は,次のとおり伝えています.

「CDCは「手洗いが命を救う」という題名のビデオを1万6000本作り、患者が入院時に見せるようにしている。ビデオでの一つのシナリオでは、医師が病室に入ってくると、患者の妻が「先生、大変失礼ですが、ここへ来る前に手を洗ったかどうか尋ねてもよろしいですか」と言うと、医師は「部屋に入る直前に手を洗いました」と答える。すると妻はさらに、「できましたら、もう一度私の前でしていただけませんか」と頼んでいる。」

「一部の病院では「手洗いが済んだかどうか私に聞いてください」と書かれたポスターやプラカードを貼ったり、スタッフにバッジを付けさせたりしている。」

「とてもシンプルな要求だが、病院の一室で弱さや恐怖、居心地の悪さを感じる患者やその家族にとっては、この問題はとても脅威となり、「手を洗いましたか」などとは言い出せない場合がある。」

「84%の親は感染症のリスクを承知しているが、病院スタッフに手を洗うよう求めるとしているのは67%止まりだった。これは、そんなことを言うのが失礼に見えたり、スタッフの権威を損ねたりするのではないかとの懸念が主な理由だった。」

「Infection Control and Hospital Epidemiology誌に載った研究では、ピッツバーグ大学医療センター(UPMC)の患者の3分の1は医師が手を洗わなかったのを見たと答えたが、3分の2近くの患者は手の衛生状態について医師に何も言わなかったとしている。この研究によれば、ほとんどの患者は医師に手洗いを求めるのが自分たちの役割だとは考えておらず、これを要求した場合の医師からの報復を恐れているという。」



「一部の病院では、厳しい手洗い規則を導入して順守率を100%近くにまで高め、また一部では、指定されたスタッフが同僚の衛生管理状態を監視している。病院の共同購入事業を行うプレミアのジーナ・パグリース氏によると、一部の病院は手洗いの改善は規則順守や、これを無視する医師に対する勤務資格の一時停止などによるものだとしている。2010年の研究によると、ケンタッキー大学医療センター(レキシントン)の医師の勤務資格停止を含む罰則の導入によって順守の度合いが高まったという。」

「UPMCの研究では、患者らは感染症や手洗いに関する情報を受ける代わりに、むしろ病院スタッフが手を洗ったかどうかを示すボタンやライトを身に付けてくれた方がいいと思っていることも明らかになった。UPMCはスタッフが手洗いをしたかどうか測定・追跡できるシステムや、スタッフが病室に入る前に手洗いをしたかどうか尋ねることを患者に喚起させるコンピューター音声システムの開発を進めている。」


米国でさえこのような状況ですから,日本では,医師に「手を洗いましたか」と尋ねるのはかなり難しいでしょう.
感染症予防には,システムによる対策が有効でしょう.


谷直樹

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by medical-law | 2013-10-03 12:08 | 医療