弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

豊橋市民病院,産科の脳性麻痺事故1億5000万円で和解(報道)

名古屋テレビ「豊橋市民病院での医療事故で和解 損害賠償額決まる」(2013年11月25日)は,次のとおり報じました.

「豊橋市は、市民病院での際、医療ミスにより赤ちゃんに重い障害が残り、市に損害賠償を求めていた両親と、和解が成立したと発表しました。


豊橋市によりますと、2008年5月、愛知県の豊橋市民病院で30歳代の女性が出産した際、医療ミスが原因で赤ちゃんに、脳性マヒの後遺症が残りました。両親は豊橋市に損害賠償を求め訴えていましたが、9月、市が1億5000万円を両親へ支払うことで和解が成立したということです。赤ちゃんの母親は、「今後、同じような事故がおこらないよう医療体制を整えてほしい」とコメントしています。一方、市民病院は、「産婦人科の医師の数を増やし、教育を徹底するなどして再発防止に努めたい」としています。」


産科医療補償制度は,2009年1月1日以降に出生した児が対象ですので,2008年5月出生のこの件には産科医療補償制度が適用されません.
裁判所で,1億5000万円の和解が成立したというのですから,患者側が過失,因果関係,損害の3要件を立証したとみてよいでしょう.

【追記】

中日新聞 「分娩ミスで障害 豊橋市民病院、1億5000万円で和解へ」(2013年11月26日)は,つぎのとおり報じました.

「子宮内で圧迫、仮死状態に

 愛知県の豊橋市民病院で2008年5月、出産時に医師が適切な処置をしなかったため、女児に脳性まひが残る医療事故が起きていた。女児の両親は損害賠償を求めて提訴し、名古屋地裁が和解案を提示。豊橋市は25日、1億5千万円を支払って和解する議案を市議会に提出すると発表した。

 病院によると、08年5月中旬の深夜、愛知県外に暮らす30代の女性が里帰り出産した。分娩(ぶんべん)を担当した20代の女性医師は、胎児の心拍数が遅くなっていることに気付いたが、「このまま出産は可能」と考え、帝王切開などはしなかった。

 別の出産に対応するため、45分、その場を離れた。この間、30分間は女性1人となり、残る15分は助産師が付き添った。女性医師が戻り、女児が生まれたが、心肺停止の仮死状態だった。

 出産前、女児の体が子宮内で圧迫されたため、仮死状態になったとみられる。脳性まひのため、5歳になった今も自力では歩けず、常に介護が必要という。

 女性医師は当時、医師免許を取得し四年目。産婦人科に配属されて2年目だった。病院は当直体制で、ほかに産婦人科医師はいなかった。

 女児の両親は11年12月、2億7千万円の損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴。市は医療事故と認め、地裁の和解案に応じることを決めた。

 会見した岡村正造院長は「担当医は速やかに帝王切開などの判断をすべきだった。夜間緊急時の診療体制が万全でなく、母体と胎児の監視が不十分だった。申し訳ない」と謝罪した。

 女児の母親は弁護士を通じ、「今後は同じような事故が起こらないように医療体制を整えて、より安心して出産ができるよう努めてほしい」とコメントした。」



谷直樹

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by medical-law | 2013-11-25 22:00 | 医療事故・医療裁判