弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

市立病院、肺がんの見落としによる死亡事故、1900万円で示談(報道)

msn産経「がん見落とし、遺族と和解へ 市立敦賀病院」(2013年11月27日)は、次のとおり報じました.

「市立敦賀病院は26日、肺がんの早期発見を見落とす医療事故があり、過失責任を認めた上で、死亡した80代の無職男性=敦賀市=側に1900万円の賠償金を支払うことで遺族と和解の合意に達したと発表した。12月3日開会の定例市議会で議決を得て、成立する。

 病院によると、男性は今年3月12日に自宅で転倒。病院で受診した結果、肺から転移した脳腫瘍(のうしゅよう)と診断され、7月16日に肺がんで死亡した。

 男性は病院で平成21年5月から月に一度、胸部のレントゲン画像を撮っていたが、病院側は肺がんを発見できなかった。病院が男性の過去の画像を調べたところ、23年10月4日の撮影分から肺の陰影の異常が確認できた。男性の主治医(47)は「しっかり見ていなかった」と話しているという。

 この日、記者会見した米島学院長は「遺族の方には本当に申し訳なく思っている。こういう事態を招いたことを真摯(しんし)に受け止め、反省する」などと謝罪した。」


毎日新聞「敦賀病院:早期肺がん見落とし男性死亡 1900万円賠償」(2013年11月27日)は、次のとおり報じました.

「市立敦賀病院(敦賀市)は26日、男性患者の早期肺がんを胸部X線撮影で医師が見落とし、今年7月に男性が肺がんで死亡したと発表した。市は医療過誤として遺族に賠償金1900万円を支払うことを決め、遺族と和解した。

 病院によると死亡したのは市内の80代男性。今年3月に自宅で転倒し、頭部検査で腫瘍が見つかり、肺からの転移だと分かった。男性は透析治療のため2009年から月1回、胸部をX線撮影していた。病院が過去の画像を調べたところ、11年10月以降の画像に肺がんが確認された。

 当時画像の確認は主治医(47)が一人で行っていたため、今後は放射線科の専門医らで二重に確認して再発を防ぐという。記者会見した米島学院長は「このような事態を招いたことを真摯(しんし)におわびする」と謝罪した。【柳楽未来】」


報道の件は私が担当したものではありません.
主治医は呼吸器科の医師ではないのでしょうが、胸部レントゲン検査の陰影を見落としたことについて、過失が認められます.
がんの見落としの事案は少なくありません.
過失に争いがなくても,具体的な損害額の算定となると,難しい問題があります.

がんの見落とし相談をご希望の方は、電話03-5363-2052、あるいはメールmedicallawtani @ yahoo.co.jp(スペースは詰めてください)でお申し込みください.

谷直樹

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by medical-law | 2013-11-28 01:20 | 医療事故・医療裁判