弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

愛知県が心身障害者コロニー中央病院の医師を民間病院でのアルバイトを理由に1か月の停職処分(報道)

毎日新聞「兼業禁止規定:アルバイト医師を停職1カ月 愛知県」)2014年1月31日)は,次のとおり報じました.

「愛知県は31日、地方公務員法の兼業禁止規定に違反し、許可を得ずに民間診療所でアルバイトの診察をしたとして、あいち小児保健医療総合センター(同県大府市)に勤務する男性外科医師(60)を停職1カ月の懲戒処分にした。医師は26年間にわたって約700回の診療を行い、報酬約3500万円を受け取っていた。

 県病院事業庁などによると、医師は県心身障害者コロニー中央病院(同県春日井市)で勤務していた1984〜2009年に、同県豊橋市の民間診療所で、年休を利用し毎月1〜4回の診療をしていた。医師は「(当時の)先輩医師の依頼で手伝うようになった。自覚が足りなかった」と話しているという。

 医師は13年12月、部下から指摘を受けて報告した。県はほかの医師についても、アルバイトの有無を調査している。【高橋昌紀】」


朝日新聞「県立病院医師、26年間兼業で3500万円 停職処分へ」(2014年1月31日)は,次のとおり報じました.

「愛知県あいち小児保健医療総合センター(同県大府市)の部次長級の男性医師(60)が26年間にわたり民間病院でも診療し、計3500万円の報酬を得ていた。県の調べに医師はアルバイト行為を認めており、県は31日付で地方公務員法違反(兼業禁止)で停職1カ月の懲戒処分にした。

 県の発表によると、男性医師は2009年度まで所属した県心身障害者コロニー中央病院(同県春日井市)に勤務当時、09年3月まで26年間、勤務時間外に同県豊橋市の民間病院で手術や診療を繰り返した。報酬は1回5万円だった。

 医師はコロニー中央病院の先輩医師から紹介されてこの兼業を始め、勤務先には一切伝えなかった。兼業は「病院内でそれなりの地位になり多忙になった」として辞めたという。

 コロニー中央病院は、全国有数の心身障害者の専門病院。染色体異常などを診療する小児内科や脳性麻痺(まひ)などをみる小児神経科などを持つ。

 愛知県では04年にも県立病院で別の男性医師の兼業が発覚。民間病院で手術を繰り返し報酬約478万円を受け取ったとして減給の懲戒処分を受けた。県は直後に県立病院で兼業の有無を調査したが、今回の処分の件は確認できなかった。」


地方公務員法第38条は,次のとおり定めています. 
「職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
2 人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。」

公務員が,休みの日に,無償のボランティアを行ったり,無償で実家の田植えを手伝ったりするのはよいのですが,報酬を得てアルバイトをするには許可がいるわけです.

福岡県職員(運転手)が声優の仕事をしていたことがわかり,処分が検討されている,というニュースもありました.

しかし,公務員の仕事に影響しなければ,兼業を禁止する必要はなく,処分する必要はないように思います.

公務員の兼業禁止については,職務への影響がなければ原則として許可する,という取り扱いが合理的と思います.

弁護士 谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2014-02-01 09:42 | コンプライアンス