弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

透析中に異常を知らせるブザーが鳴ったのに確認を怠った看護師を業務上過失致死罪で書類送検(報道)

時事通信「患者死亡で看護師書類送検=人工透析中に大量出血-業過致死容疑で・警視庁」(2014年2月24日)は、次のとおり報じました.

「東京都町田市の「あけぼの第二クリニック」で2010年6月、人工透析を受けていた女性患者が大量出血で死亡した事故で、警視庁が業務上過失致死容疑で、当時同クリニックの看護師だった40代の男性を書類送検したことが24日、捜査関係者への取材で分かった。
 送検容疑は10年6月14日午後、人工透析を受けていた同市の無職女性=当時(73)=の左足に挿入されていたチューブが外れたことに気付かず、透析を続けて大量出血させ、翌15日に出血性ショックによる低酸素脳症で死亡させた疑い。チューブは透析機器を通った血液を体内に戻すためのものだった。
 捜査関係者によると、元看護師の男性は、女性の透析開始から約3時間後、異常を知らせるブザーが鳴って機器が停止したのに、原因を特定しないまま透析を再開。数分後に再びブザーが鳴ったため、他の看護師と改めて確認したところ、チューブが外れて血液が漏れていたことが分かった」


異常を知らせるブザーが鳴ったのに、確認を怠り、チューブが外れて血液が漏れていたことに気づかず、そのため患者を出血性ショックで死亡させたのですから、本来は略式起訴も考えられる事案ではないでしょうか.ただ、本件は遺族との間で示談が成立し、遺族は積極的に処罰を求めていないため、警察が「処分相当」で送っていますので、不起訴となる可能性が大きいと思います.


弁護士 谷直樹

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by medical-law | 2014-02-26 01:50 | 医療事故・医療裁判