弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

大阪大学医学部付属病院,患者870人分の個人情報の入った私物パソコン紛失

毎日新聞「患者情報紛失:阪大病院 私物PCにがん患者計870人分」(2014年3月20日)は,次のとおり報じました.

「大阪大は20日、医学部付属病院を受診した胃がんや食道がんの患者計870人の氏名や病状など個人情報が入った私物のノートパソコンを紛失したと発表した。パソコンにパスワードによる保護設定はなかった。情報流出は確認されていないという。

 阪大によると、パソコンを紛失したのは同病院医員で医学系研究科博士課程2年の男性。学会発表の資料作成のため、1985年1月〜2012年12月に同病院で受診した患者の氏名や診察券番号、生年月日、がんの進行度などのデータを私物パソコンに保存していたという。

 男性は今月14日夜、このパソコンを携えて友人らと居酒屋で飲食し、翌午前1時半ごろ、大阪市中央区の3軒目の店で紛失に気付いたという。同区の2軒目の店からタクシーで移動する間に紛失したらしい。同研究科の内規で、学外に持ち出す場合は、匿名化とパスワード設定、管理責任者の許可が必要だが、守られていなかった。「資料を自宅で作るつもりだった」と話しているという。【根本毅】」



電磁データの紛失が報じられ続けていますが,紛失事故はいっこうに無くなりません.
紛失事故として報じられた件数以上に、ルール違反があるように思えてなりません.
ルールを守らせるよう管理と責任の体制を徹底すべきではないでしょうか.

なお,日本では、具体的に損害を立証しないと賠償を求められませんが、米国では、個人情報を不注意で紛失した場合、高額の民事罰を課せられます.

◆ 2011年6月以降報じられた病院での個人電磁情報の紛失事故は以下のとおりです.

2011年 6月
慶應義塾大学病院スポーツ医学総合センター
北海道大学病院

2011年7月
医療法人 柏堤会(財団) 戸塚共立第1病院
藤田保健衛生大学病院
昭和大学歯科病院

2011年8月
筑波メディカルセンター病院

2011年9月
千葉県精神科医療センター
鹿児島大学病院

2011年10月
JA茨城県厚生連茨城西南医療センター病院
独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター
独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院
大和市立病院

2011年11月
独立行政法人国立病院機構金沢医療センター

2012年1月
医療法人聖愛会
独立行政法人国立病院機構千葉医療センター
独立行政法人国立病院機構宇多野病院
東京女子医科大学附属八千代医療センター

2012年2月
京都府立洛南病院(ただし一時紛失)
岡山大学病院
藤沢市民病院
長崎大学病院

2012年3月
日本赤十字社医療センター
国立大学法人高知大学医学部

2012年4月
ごう在宅クリニック(札幌)
静岡県立病院機構静岡県立総合病院
広島大学病院
福岡大学病院

2012年5月
福岡大学病院

2012年6月
日本大学医学部附属板橋病院

2012年7月
日本大学歯学部付属歯科病院

2012年8月
名古屋大学医学部附属病院
順天堂大学医学部附属順天堂医院
愛知県厚生農業協同組合連合会江南厚生病院

2012年9月
沖縄県立中部病院
福岡歯科大学医科歯科総合病院
大阪リハビリテーション病院

2012年10月
医療法人社団恵仁会セントマーガレット病院
東京医科大学病院
昭和大学病院附属東病院
浜松医科大学医学部付属病院,浜松医療センター

2012年11月
九州大学病院
東京慈恵会医科大学附属柏病院

2013年2月
札幌医科大学附属病院

2013年3月
東京医科歯科大学歯学部附属病院

2013年4月
昭和大学歯科病院

2013年5月
市立岸和田市民病院

2013年7月
順天堂大学医学部附属順天堂医院
東京女子医科大学病院
一般財団法人神奈川県警友会けいゆう病院
埼玉県立がんセンター

2013年8月
さいたまほのかクリニック

2013年9月
新潟県立六日町病院
公益財団法人東京都保健医療公社荏原病院

2013年10月
産業医科大学若松病院

2013年12月
筑波大学附属病院
岐阜大学医学部附属病院(その後発見)
JR東京総合病院

2014年1月
医療法人鉄蕉会亀田総合病院(その後発見)
兵庫医科大学附属病院
湘南藤沢徳洲会病院

2014年3月
公益財団法人がん研究会有明病院
鳥取大学医学部付属病院
大阪大学医学部附属病院

弁護士 谷直樹

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by medical-law | 2014-03-21 06:32 | コンプライアンス