弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

福岡地裁平成26年3月25日判決,カンガルーケア訴訟で独立行政法人国立病院機構敗訴(報道)

福岡放送「カンガルーケア訴訟 原告勝訴」(2014年3月25日)は,次のとおり報じました.

「病院側が十分な体調管理をせず、生まれて間もない赤ちゃんに重い障害が残ったとして母親などが病院に損害賠償を求めている裁判で、福岡地方裁判所は25日、病院側に1億3000万円あまりの支払いを命じる判決を言い渡しました。
この裁判は2009年11月、福岡県内の30歳代の女性が福岡市中央区の九州医療センターで二女を出産した直後、助産師が赤ちゃんを女性の胸の上に置いたままにしたことで体温や栄養の管理が十分に行われず、二女が植物状態になったとして約2億3000万円の損害賠償を求めているものです。
これまでの裁判で原告の女性は「帝王切開後の痛みなどで赤ちゃんを観察することは不可能だった」と主張、これに対し病院側は「異常があればナースコールをするよう母親に伝えていた。スタッフが四六時中、観察すべき注意義務はない」などと反論していました。
平田豊裁判長は判決で、「病院は原告がナースコールをするまでの約1時間20分の間、経過観察を怠った」と指摘、病院に1億3000万円あまりの支払いを命じました。九州医療センターは「産科医療の現場に不可能を強いている不当な判決」として直ちに控訴するとしています。」


TVQ九州放送「産後ケア“不十分” 国立病院機構が敗訴」(2014年3月25日)は,次のとおり報じました.

「生まれた子どもが植物状態になったのは、出産後のケアが不十分だったとして、両親らが九州医療センターを運営する独立行政法人国立病院機構に、損害賠償を求めていた裁判です。

福岡地裁は訴えを一部認め、機構に約1億3000万円の支払いを命じました。

この裁判は、九州医療センターで5年前に生まれた次女が、出産後の経過観察などが十分になされなかったため植物状態になったとして、福岡県内に住む両親らが、病院を運営する機構に対し、約2億3000万円の支払いを求めたものです。

両親らは「帝王切開で出産し疲労困憊の中、 次女を体に載せられた。授乳ができない状態で、病院側の見回りもなかった」と主張。

これに対し、病院側は、「管理上の問題はなく、義務違反はない」として訴えの棄却を求めていました。

25日の裁判で、福岡地裁の平田豊裁判長は、「帝王切開の疲労で母親に的確な対処ができない事態は予見できた。1時間20分にわたり、一切、経過観察を行っていない」として、病院側に約億3000万円の支払いを命じました。

判決後の記者会見で原告・母親は「少しは報われた気分です。同じような苦しい思いをしている家族の方々が少しでもいい方向に向かっていければと思います」と話しました。

産後のケアをめぐる訴訟は、全国で6件起きていて、原告の勝訴は今回が初めてです。

敗訴した病院側は「不当な判決で直ちに控訴する」としています。」


読売新聞「新生児の母子同室で障害、1億3千万円賠償命令」(2014年3月25日)は,次のとおり報じました.
 
「出産後に母子同室を実施した際、医師らの経過観察が不十分で次女(4)が重い障害を負ったとして、福岡県の両親と次女が「九州医療センター」(福岡市)を運営する独立行政法人国立病院機構に約2億2950万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁は25日、病院側に約1億3000万円の支払いを命じた。

 平田豊裁判長は「次女の容体急変などを回避するため経過観察をする義務に違反した」と述べた。病院側は控訴する方針。

 判決によると、母親(36)は2009年11月20日、センターで次女を帝王切開で出産。約10時間後、助産師が次女を母親のベッドに移し、授乳させた。その後、約1時間20分間にわたって見回りせず、次女の容体が急変。心肺が一時停止し、低酸素性虚血性脳症で寝たきりとなった。」

福岡地裁は,問題の多い大阪地裁判決と(事案はまったく同じではありませんが)異なる判断を下したわけです.
積極的に評価できる判決と思います.判決全文を読みたいです.


弁護士 谷直樹

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by medical-law | 2014-03-26 00:38 | 医療事故・医療裁判