弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

諏訪中央病院,胸痛で救急搬送された患者を顕著な異状がきられないと帰宅させ心筋梗塞で低酸素脳症に(報道)

読売新聞「診察、帰宅後に心肺停止 諏訪中央病院」(2014年3月29日)は,次のとおり報じました.

「諏訪中央病院(茅野市)で昨年5月、市内の別荘から救急搬送された神奈川県在住の女性(48)が診療を受けて帰宅後、心肺停止状態となり、重度の低酸素脳症となる医療事故があったことがわかった。病院側は「帰宅させるべきでなかった」と家族に謝罪、損害賠償について代理人を通じて協議を進めている。

 病院側の説明によると、女性は昨年5月29日正午過ぎ、胸の痛みを訴えて救急搬送された。救急担当の内科医グループが診療したが、会話もでき、顕著な異常が見られなかったため午後3時半ごろ家族とともに帰宅した。それから1時間半後の午後5時頃、女性は別荘で突然倒れ、心肺停止状態となった。駆けつけた救急隊員の処置で蘇生し、同病院に再度、救急搬送されて手当てを受け、一命は取り留めたが重度の低酸素脳症に陥り入院。自分の意志で行動するのが難しい状態になったという。

 病院では直後に医師、看護師ら6人の医療事故調査委員会を組織。外部からも大学教授の医師2人を迎えて、原因調査を行った。その結果、「帰宅させずに病院で診ていれば心肺停止になったとしても重度の低酸素脳症にはならなかった可能性が高い」との報告がまとまった。女性は8月まで入院し、その後、神奈川県内の病院に転院した。

 同病院組合長の柳平千代一茅野市長は「起きてはいけないことが起きてしまった。こうした事故が2度と起きないよう普段のチェック体制の強化に努めたい」とコメントした。

 同病院では事故があった5月29日を「医療安全の日」と定め、医療講演会や研修会を毎年開催し、質の高い医療を目指す、としている。」


受診時に顕著な異状,症状がなくても,胸痛を訴えて搬送された患者ですから,ガイドラインに基づいてリスク評価を行い,ハイリスクなら入院,心カテとすべきだったケースでしょう.少なくとも入院措置をとっていれば,脳障害は防止できたでしょう.

弁護士 谷直樹

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by medical-law | 2014-03-29 08:02 | 医療事故・医療裁判