弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

国立国際医療研究センター病院,5年目の研修医が造影剤ウログラフィンを脊髄注射し患者死亡

msn産経「女性研修医が造影剤誤投与、女性患者死亡 医療研究センター」(2014年4月18日)は,次のとおり報じました.

「国立国際医療研究センター(東京都新宿区)は18日、レントゲン撮影時に造影剤の誤投与があり、検査入院していた都内の女性患者(78)が死亡したと発表した。整形外科の女性研修医(29)が本来使用してはいけない薬剤を脊髄に投与、ショック性多臓器不全が起きた。センターは重大な医療事故と判断、警視庁牛込署に届けた。

 センターによると、患者は今月16日、神経が締め付けられ、足に痛みやしびれが出る「腰部脊椎管狭窄症」のために検査入院。同日午後2時ごろ、女性研修医がレントゲンやCT撮影用の造影剤を脊髄注射したところ、約2時間半後に意識を失い、蘇生処置を施したが午後8時すぎに死亡した。

 研修医に聴取したところ、脊髄には本来「イソビスト」と呼ばれる専用の造影剤を使うが、研修医が誤って血管注射用の造影剤「ウログラフィン」を投与していたことが判明。浸透圧が約6倍と高く、神経組織内の水分が抜けるなどして虚脱状態に陥り、全身の機能不全を引き起こしたとみられる。

研修医は卒業後5年目のレジデント(後期研修医)だが、一人で造影剤の脊髄注射を行うのは初めて。「どちらの造影剤も同じだと思っていた」などと話しているという。主治医は外来で現場におらず、投与の際には1年目の若手研修医2人が見学に立ち会っただけだったという。

 ウログラフィンの箱やアンプルには「脊髄造影禁止」と赤字で注意書きがあるが、センターでは「なぜ気付かなかったのかは不明」とし、院内に調査委員会を設置して原因究明を図る。

 センターの中村利孝病院長は「ハイリスク薬の取り扱いの際に行うべき(第三者による)ダブルチェックが機能していなかった」と謝罪。研修医の教育も含め、再発防止を行うと説明した。」

NHK「禁止造影剤を「知らずに投与」患者死亡」(2014年4月18日)は,次のとおり報じました.

「東京・新宿区にある国立国際医療研究センター病院で、検査のため入院していた78歳の女性が脊髄への投与が禁止されている造影剤を投与されたあと死亡する医療事故がありました。
投与した29歳の医師は、禁止されていると知らなかったという趣旨の説明をしているということで、病院で詳しい経緯を調査しています。

東京・新宿区にある国立国際医療研究センター病院によりますと、16日、腰などの痛みを訴えて検査のため入院した東京の78歳の女性が脊髄に造影剤を投与されたうえでCT検査を受けたところ、30分後に意識を失い、その3時間半後に死亡したということです。
投与されたのは「ウログラフィン」という主に血管の撮影に使われる造影剤で、脊髄への投与は重篤な副作用を引き起こすおそれがあるため禁止されています。
投与したのは、整形外科に所属する29歳の医師で、「血管に使う造影剤と脊髄に使う造影剤は同じだと思っていた」と説明しているということです。
病院は、女性が造影剤でショック状態を起こして死亡した可能性が高いとみて、家族に謝罪したうえで警察に届けるとともに、調査委員会を立ち上げて詳しい経緯や死因について調べています。
国立国際医療研究センター病院の中村利孝病院長は、「重大な過ちがあったのは明らかで、誠に申し訳なく思います。このようなことが2度と起こらないよう再発防止に取り組みたい」と謝罪しました。」


5年目の研修医でも普通知っているはずと思いますが,この29歳の医師はどうして知らないかったのでしょうか.調査報告を待ちたいと思います.

弁護士 谷直樹

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by medical-law | 2014-04-19 05:33 | 医療事故・医療裁判