弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

鹿児島市立病院,脳動脈瘤瘤の手術後の見当識障害で3000万円の示談(報道)

読売新聞 「術後に後遺障害3000万円支払いへ 鹿児島市立病院」(2014年9月23日)は,次のとおり報じました.

「鹿児島市立病院は、頭部の手術後に後遺障害が出たとして病院に損害賠償を求めた70歳代男性に対し、損害賠償金3000万円を支払う方針を決めた。

 病院によると、男性は市内に住んでいた2008年4月、同病院で脳動脈瘤りゅうの手術を受け、その後、日時や場所が分からなくなる見当識障害が起きた。「術中に医療機器が動き、出血が増量したため」と主張している。

 病院側は「何らかの事情で医師の体が医療機器に触れたとしても不可抗力で、後遺障害との間に明らかな因果関係があるとは言えないが、影響を与えたことは否定できない」と判断。男性側の弁護士と賠償額について協議し、おおむね合意を得たという。」


一般に,術中は,医師の身体が医療機器に不用意に触れ医療器機が動いてしまわないように注意して身体を動かす義務はあると考えられますので,医師の身体が医療器機に触れて医療機器が動いてしまうのは不可抗力ではないでしょう.

因果関係については,一般に高度の蓋然性から相当程度の可能性まで立証に幅があります.
明らかな因果関係が認められない場合でも,賠償金額にはかなりの幅があります.
医師の身体が医療器機に触れ,医療機器が動き出血が増量したという機序が認められるなら,後遺障害との因果関係が認められる可能性は低くないと思います.

本件の患者側の代理人は,東京の弁護士だったと聞いております.


谷直樹

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by medical-law | 2014-09-25 19:38 | 医療事故・医療裁判