弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

麻植協同病院、経鼻経管栄養の管が気管支に入っていた死亡事故で事故調査委員会設置(報道)

朝日新聞「気管支に栄養チューブ、90代患者死亡 徳島の病院」(2014年11月5日)は、次のとおり報じました.

 
「徳島県吉野川市の麻植(おえ)協同病院は4日、入院患者の90代女性がチューブで流動食を摂取中に嘔吐(おうと)し、死亡する事故が起きた、と発表した。胃に挿入したはずのチューブが気管支に入っていたことから、病院は異状死と判断し、県警に通報。医療ミスの可能性もあるとして、事故調査委員会を設置し、死因などを究明する。

 病院によると10月31日午後5時ごろ、看護師3人が患者の鼻からチューブを挿入。胃に入ったかどうかを聴診器を当てて確認し、薬液と流動食の注入を始めて退室したという。約40分後、患者が嘔吐して意識不明になっているのを巡回中の看護師が発見。その後、心肺停止状態になり、CT検査で調べたところ、チューブが右の気管支に入っていたことがわかった。間もなく死亡が確認されたが、直接の死因は不明という。

 患者は骨折で10月2日に入院。肺炎も起こし、口から食事がとれないためチューブを使っており、挿入したのは5回目だった。

 原因について病院は、最初に過ってチューブを気管支に挿入したか、嘔吐した際に何かの拍子で気管支に入ったかの二つが考えられる、と説明。橋本寛文院長は「患者と遺族に深くおわびする。誠意ある対応をし、再発防止に全力を尽くしたい」と述べた。」


本件は,すぐCT撮影を行ったので、チューブが気管支に入っていることがわかったのでしょう.チューブを抜いてからCT撮影を行った場合は,気管支にチューブが入っていたことが分からなかったかもしれません.本件は,看護師が誤ってチューブを気管支に挿入した可能性が考えられますが,一般に,経鼻経管栄養中の事故を防止するには,患者家族によく説明して納得された場合にだけ経鼻経管栄養を行うことと経鼻経管栄養中何らかの異変があったら直ちに発見できる体制(たとえば,パルスオキシメーターをつける方法もあるでしょう)をとることが必要ではないでしょうか.
希有な事故ではないので,事故調査の原因分析と提言に期待します.


谷直樹

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by medical-law | 2014-11-05 06:46 | 医療事故・医療裁判