仙台オープン病院が心房中隔欠損症の合併症状を見逃しリスクの高い手術を行ったと提訴される(報道)
「仙台市宮城野区の仙台オープン病院で心臓の手術を受けた同区の女性=当時(56)=が死亡したのは医師らが手術法の選択を誤るなどしたためだとして、遺族3人が4日までに、病院を運営する公益社団法人仙台市医療センター(同区)に計約9500万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。
訴えによると、女性は心臓の壁に生まれつき穴がある「心房中隔欠損症」で、2009年9月に病院で穴をふさぐ手術を受けた。術後に血たんを吐くようになり、10年4月に再手術を受けたが容体が急変。緊急手術後に遷延性意識障害(植物状態)になり、11年5月に多臓器不全などで死亡した。
遺族側は「別の症状を合併していたのに09年の手術前に発見できなかった。合併症状がある場合にリスクの高い手術法を取り、死亡させた」などと主張する。
市医療センターは「訴訟の中で対応していくので、詳しいコメントは差し控えたい」との談話を出した。」
多くの施設が心臓手術を取り扱っていますが,緊急でない心臓手術は,経験数の多い施設で,経験数の多い医師が行うほうが安全です.
仙台オープン病院は,もともとは外来型の病院で,そのような施設で高いリスクの心臓手術が行われたことが事故の背景事情となっているのかもしれません.
記事から判断するかぎり,遺族側の主張は,別の症状を合併していたことを発見すべきなのに発見しなかったことが「過失」というものでしょう.
因果関係については,合併症状を発見していたら,リスクの低い手術方法を選択し,結果は変わっていたという主張なのでしょうか.
もし医師が合併症状を発見していたら,医師の患者家族に対する説明も異なったものとなり,患者家族が高い手術リスクを認識していたなら,経験件数の多い施設医師を選択し,すくなくともこの病院では手術を受けなかったかもしれませんね.
谷直樹
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