弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

宮崎県立宮崎病院,呼吸抑制の副作用がある鎮静剤投与後に死亡の事案で和解(報道)

西日本新聞「1000万円支払いで宮崎県が和解へ 県立病院医療過誤訴訟」(2014年11月6日)は,次のとおり報じました.

「宮崎県立宮崎病院(宮崎市)に入院していた統合失調症患者の男性=当時(47)=が急性心不全の疑いで死亡したのは鎮静剤の不適切な投与が原因だとして、遺族が県を相手取り約4900万円の損害賠償を求めた訴訟で、県は5日、宮崎地裁の和解勧告を受け入れ、解決金1千万円を支払う方針を明らかにした。
 訴状によると、男性は2009年11月、同病院に入院して5日後に死亡。遺族は、死亡の数時間前、呼吸抑制の副作用がある鎮静剤を十分な観察がないまま投与していたと訴えていた。県病院局は「突然死との判断は変わらないが、死亡直前の心拍数の測定値や巡回記録が残っておらず、無過失を立証できないと判断した」としている。」


注意義務違反の事実を立証する責任は患者側が負いますが,裁判所は,観察していたという証拠がない以上,観察していなかったという認定になるということで,和解を勧告したのでしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2014-11-08 09:36 | 医療事故・医療裁判