弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

高血圧薬と似た名前の糖尿病薬投与で提訴(報道)

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毎日新聞「提訴:名前酷似の薬誤投与 女性死亡で遺族が」(2014年12月27日)は,次のとおり報じました.

「高血圧剤を投与すべき女性患者(当時89歳)に名前が似た別の糖尿病薬を誤って投与した結果、女性が死亡したとして、遺族が恵寿(けいじゅ)総合病院(七尾市)を経営する社会医療法人財団「董仙(とうせん)会」を相手取り、慰謝料など約7300万円を求める訴訟を起こした。26日、金沢地裁で第1回口頭弁論があった。
 訴状によると、女性は2010年1月、診療を受けていた同病...」


高齢者に糖尿病の薬を誤投与すると,昏睡状態となり死亡することもあり得るでしょうが,因果関係立証と損害額が争いになるでしょう.
89歳女性で,どんな計算を行えば7300万円の請求になるのでしょうか.

大日本住友製薬の高血圧薬「アルマール」(現在の「アロチノロール」)と間違えて,サノフィの糖尿病薬「アマリール」を投与した事案ではないでしょうか.サノフィの糖尿病薬「アマリール」が登場したことで,誤投薬が誘発されたことはよく知られています.
もし「アマリール」投与で訴えているなら,むしろサノフィに対する命名責任訴訟を検討してほしい気がします.
直接的には間違えた医療従事者の過失が否定できませんが,事故の根本原因は製薬会社の命名にあります.

ほかにも似た名称の薬剤は結構あります.
「サクシン」(現在「スキサメトニウム」)と「サクシゾン」
「セフゾン」と「セパゾン」
「タキソール」と「タキソテール」
「ノルバデックス」と「ノルバスク」

製薬企業は,既にある薬と似た名称をつけるべきではないでしょうし,厚労省は名称変更を指導すべきと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2014-12-28 01:27 | 医療事故・医療裁判