弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

溝口訴訟で熊本県側が提出した医師の意見書に関する文書を環境省が廃棄

朝日新聞「水俣病訴訟巡る文書廃棄 環境省、患者認定関連の意見書案」(2014年12月28日)は、次のとおり報じました.

「水俣病の患者認定の可否が争われた「溝口訴訟」で、被告の熊本県側が提出した医師の意見書に関する文書を、環境省が廃棄していたことがわかった。文書は情報公開法に基づき保存が必要だったもので、国の審査会は「誤った判断」と指摘し、適切な文書管理を同省に求めた。
イラスト:ALTタグ
裁判所に提出された医師の意見書の写し

 意見書は、原告が患者認定を求めた女性(故人)が水俣病ではないとする熊本県の主張を補強する内容。環境省の出先機関、国立水俣病総合研究センター(熊本県水俣市)の総合臨床室長の医師(51)の名前で、2010年6月に控訴審に提出された。その中で医師は女性について「水俣病である可能性は否定できないものの、医学的に水俣病だと診断できるだけの根拠に欠けることは確かである」と指摘した。

 この意見書作成について同年10月の証人尋問で、医師は「まず環境省の担当の方とどういった意見書を作成するかといった協議を行った。その後、文面は担当の方が作成し、それを私が修正するという過程を数回行った後に完成させた」と証言。原告側は「意見書に環境省の見解が反映されたのではないか」と反発し、客観的な内容とは言えないと問題視していた。

 原告側の支援者は、最高裁で原告の勝訴が確定した13年4月、情報公開法に基づき文案などの開示を請求。環境省は「意見書作成後に不要となり、保存されていない」との理由で不開示を決めた。原告側は異議を申し立て、内閣府の情報公開・個人情報保護審査会が調査。その結果、文案は環境省特殊疾病対策室の職員がパソコンで作り、医師にメールで送ったことが判明した。

 審査会は今春の答申で、文案などの廃棄を事実と認め、不開示決定は「妥当」とした。一方で、「(廃棄は)担当者が判断を誤ったものといわざるを得ない」と指摘。「行政文書として管理されるべき文書については(情報公開)法の趣旨に照らし、その保存、管理を的確に行い、行政機関としての説明責任を全うするよう適切に対応することが望まれる」と求めた。

 環境省は答申を受け、省内に文書管理の徹底を通知した。その中で「適切な保存期間の設定なしに廃棄したりすることがあれば、情報隠しとの批判も受けかねない」と注意を促した。

 小林秀幸・特殊疾病対策室長は取材に対し「審査会の答申を踏まえて適正な文書管理に努める」としている。」


おそらく国が意見書の下書きを作っているのは、溝口訴訟に限らないでしょう.


谷直樹

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by medical-law | 2014-12-29 02:42 | 司法