弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

高知県立幡多けんみん病院、抗生剤の点滴投与のアナフィラキシーショックで患者死亡(報道)

毎日新聞「医療事故:急性アレルギー反応のアナフィラキシーで死亡」(2014年12月26日)は、次のとおり報じました.

「高知県立幡多(はた)けんみん病院(宿毛市)は26日、高齢の男性入院患者が今月、抗生物質製剤の投与後に急性アレルギー反応のアナフィラキシーショックで死亡したと発表した。男性は同種製剤によるショックの既往歴がカルテに記載されていたが、主治医らが確認を怠ったという。

 病院によると、主治医が院内の薬剤科や看護師に指示し、点滴で投与した直後に患者が意識障害などに陥り、約1時間40分後に死亡を確認した。

 主治医は指示する際にカルテの記載を確認せず、担当した看護師も未確認だった。また、薬剤科のアレルギー確認は院内でルール化されておらず、患者の死亡後に投与の誤りに気付いたという。

 病院は院内に調査委員会を発足。医師法では医師は遺体に異状があると認めた場合、24時間以内に所轄の警察署に届け出る義務がある。橘寿人院長は「因果関係は明らかで家族にも話した。院長判断で、今のところ届け出る考えはない」と述べた。【上野宏人】」


抗生剤の点滴によるアナフィラキシーショックは常に警戒し観察しなければなりませんし(最高裁平成16年9月7日判決)、本件のように同種製剤によるショックの既往歴がカルテに記載されていた場合は投与自体が禁忌に該当する可能性が高いでしょう.
患者の死亡後に投与の誤りに気付いたというのですから、院内の体制に問題がありそうです.
また、業務上過失致死罪の疑いがある事案ですから(異状死は過失犯も含めて犯罪の疑いのある死亡です)、届け出るべきでしょう.

【追記】

「高知県立幡多けんみん病院『アレルギー歴のある抗菌薬の誤投与による 死亡事故』調査報告書」(平成27年10月)」参照


谷直樹

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by medical-law | 2014-12-31 00:43 | 医療事故・医療裁判