弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

在宅療養中の人工呼吸器が外れる事故

信濃毎日新聞「人工呼吸器外れる事故、県内でも 在宅療養中のALS患者」(2015年 1月8日)は,次のとおり報じました.

「人工呼吸器を装着して在宅療養する松本市の男性。接続部分が外れる事故を機に、意識不明の状態が続いている

 人工呼吸器を装着して在宅療養していた筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者が、人工呼吸器が外れて死亡するなどの事故が各地で起きていることが7日、日本ALS協会(東京)の会員らへの取材で分かった。長野県内でも2013~14年に少なくとも2件あった。ALSは全身の筋肉が衰えて徐々に体が動かなくなる神経の難病で、人工呼吸器は生き続ける選択を可能にする重要な手段。ただ、介護などの事業所が直接関わらない在宅療養中の事故は行政機関への報告義務がなく、実態が把握できていないのが実情だ。

 同協会県支部会員の松本市の男性(48)によると、14年8月、ALSを患い在宅療養していた父親(77)が人工呼吸器が外れたことが原因で亡くなった。外れると警告音が鳴る仕組みだが、「家族が水仕事をしていて聞こえなかった」という。男性は、機器改良や在宅での管理を含め、「改善してもらえれば父の死も報われる」と話す。

 同様の事故は13年12月にも松本市であった。ALSを患う市内の別の男性(80)は、医療や介護を受けながら自宅で暮らしたいと在宅療養中、人工呼吸器が外れた。以来、男性は低酸素脳症になり、意識があるのかどうか分からない状態が続いている。

 男性の次男(46)によると、外れたのは、気管切開したのど元から出るチューブと人工呼吸器の本体装置とをつなぐ接続部分。外れた箇所は14年8月に起きた事故と同じ。トラブルを知らせる警告音に家族が気付かないなど2件の事故に共通点は多かった。

 次男は事故を市や県に報告することをケアマネジャーに相談したが、看護、介護などのサービス時間以外の事故に報告義務はないとされた。

 県健康福祉部によると、県内では家族が在宅で介護する間に起きた人工呼吸器の事故について情報を集約する仕組みはない。次男は「情報が共有できていれば再発を防げたかもしれない。責任追及ではなく再発防止のため、事故の情報を集めて利用者に還元すべきだ」と訴えている。」



 とくに今後在宅療養が増えていくわけですので、事故防止の観点から、情報共有が必要と思います.

谷直樹


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by medical-law | 2015-01-09 07:52 | 医療事故・医療裁判