弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

福岡高裁平成27年1月29日判決,病院がHIV陽性の看護師に退職を余儀なくさせたのは違法,但し賠償金減額

HIV検査で陽性と診断された看護師が,勤務先の病院から退職を余儀なくされた事案で,福岡高裁平成27年1月29日判決(一志泰滋裁判長)は,病院に約115万円の支払いを命じた福岡地裁久留米支部判決を変更し,約61万円の支払いを命じました.報道によると,勤務先病院が検査結果を職員間で共有することについての事後承諾が看護師にあったと認定し,慰藉料を減額したとのことです.

一審判決については,九州合同法律事務所のブログ「HIV感染:勤務先病院に「就労制限で不当」と賠償命令」ご参照

平成22年4月30日の「「職場におけるエイズ問題に関するガイドラインについて」の一部改正について」(基発0430第2号/職発0430第7号)は,「医療機関等においては、ガイドラインに定める労働者の雇用管理等についての基本的な考え方を踏まえた対応は必要ないとの誤解を生ずるおそれがある。そこで、今般、ガイドラインを下記のとおり改正することとしたので、貴職におかれては、このことについて様々な機会を捉えて周知に努めるとともに、適切な対応が図られるよう指導していただきたい。」とし,「なお、労働者が通常の勤務において業務上HIVを含む血液等に接触する危険性が高い医療機関等の職場においては、感染の防止について、別途配慮が必要であるところ、医療機関等における院内感染対策等については、「医療機関における院内感染対策マニュアル作成のための手引き(案)」等が作成されていることから、これらを参考にして適切に対応することが望ましい。」と改められました.

控訴審判決については,九州合同法律事務所のブログ「HIV検査:「結果の労務管理利用は目的外」2審も認める」ご参照

 谷直樹

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by medical-law | 2015-01-29 16:30 | 医療事故・医療裁判