弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

JT,国内のタバコ工場等閉鎖で1754人が希望退職

JTは,2015年2月5日,「国内たばこ事業の競争力強化施策に伴う希望退職募集等の結果について」を発表しました.その内容について,各紙は次のとおり伝えています.

日本経済新聞「JT、希望退職に1754人応募」(2015年2月5 日)は,つぎのとおり報じました.

「日本たばこ産業(JT)は5日、希望退職に1754人が応募したと発表した。2014年12月末時点のJT本体の従業員数の2割に相当する。国内たばこ事業の収益力の強化へ、工場など拠点の再編に伴い希望退職を募集していた。

 応募した従業員は原則として15年3月末で退職し、割増退職金を支給する。同社は15年3月末でたばこ製造の郡山工場(福島県郡山市)など4工場を閉鎖、4月に営業拠点も統廃合するのに伴い14年7月から希望退職の募集を順次開始していた。」


産経「JT、たばこ工場閉鎖で1754人が希望退職 今後追加募集も」(2015年2月5 日)は,つぎのとおり報じました.
 
「日本たばこ産業(JT)は5日、国内のたばこ工場閉鎖に伴って募集した希望退職に、予定した約1600人を上回る1754人が応じたと発表した。工場が閉鎖する3月末で退職する。

 1年遅れの2016年3月末に閉鎖する平塚工場(神奈川県平塚市)でも今後募る予定で、退職者はさらに増える見通しだ。

 国内たばこ事業は、喫煙者の減少や消費税増税を背景に厳しい経営環境が続く。東京都内で記者会見した小泉光臣社長は「変化への対応ということで工場の閉鎖を行った」と説明。今後はバングラデシュやネパールをはじめとした海外進出を加速する考えを示した。

 JTが5日発表した2014年12月期連結決算は、決算期の変更に伴う4~12月の変則決算で、純利益は3629億円だった。」


「希望退職の内訳は、郡山工場(福島県郡山市)が146人、浜松工場(浜松市)は98人、岡山印刷工場(岡山市)は28人で、たばこの自動販売機を製造している特機事業部(兵庫県明石市)が20人、一部機能を廃止する東日本原料本部(福島県須賀川市)は54人。このほか国内たばこ事業本部や本社などに勤務する1408人も応募した。」スポーツ日本)とのことです.

これで,JTは約260億円のコスト削減になります.
JTは,ロシアなど日本国外での事業が収益のおよそ半分を占める企業です.日本国内では,病気になりたくない人たちが喫煙を止めていますので,JTは,海外に事業の比重を移しています.タバコ規制枠組み条約による規制がいっそう重要になってくるでしょう.
最初からタバコを吸わない人が増えていますし,喫煙者の中に病気になりたくないと考える人がふえれば,そしてタバコ依存症の治療法が進歩すれば,タバコを吸う人は確実に減ります.いずれ遠くない将来にタバコのない世界が実現し,タバコを製造販売する会社は消滅するでしょう.ソフトランディングのためには徐々にタバコ会社の規模を縮小していくことが必要と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2015-02-06 02:26 | タバコ