弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

ERCPに使われる十二指腸内視鏡によるLAの超細菌CRE感染,オリンパスが提訴される(報道)

ブルームバーグOlympus Sued by UCLA Superbug Patient Over Contaminated Endoscopes(2015年2月26日)は,「Olympus Corp.’s U.S. unit was sued by a Los Angeles hospital patient over contaminated endoscopes in what may the first lawsuit following a fatal “superbug” outbreak linked to the devices. 」と報じました.

米食品医薬品局(FDA)は,2015年2月19日,ロサンゼルスで発生した超細菌カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)感染は,適切に清浄することが困難な十二指腸内視鏡が原因である可能性が高いと警告しました.メーカーの指示通りに洗浄した場合でもCREの発生・感染例が認められるとのことです.
十二指腸内視鏡の汚染は,2009年にFDAが把握していて,2010年にはフランスの医師らが報告していたそうです.
十二指腸内視鏡の複雑なデザインに問題があることが指摘されていますが,メーカーの指示以上の方法で消毒すると感染を防止できるとのことですのでメーカーの指示にも問題があることになります.

ロイター「内視鏡で「スーパー耐性菌」感染、米当局は09年にリスク認識」(2015年2月20日)もご参照

FDAの警告の翌週には提訴ですから,アメリカの弁護士は仕事が早いですね.

 谷直樹

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by medical-law | 2015-02-27 05:17 | 医療事故・医療裁判