弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

岡崎市民病院、脳梗塞の診断治療の遅れで791万円支払合意(報道)

朝日新聞「市民病院の診断ミス、791万円で合意」(2015年4月26日)は、次のとおり報じました.

「岡崎市は25日、市民病院で脳梗塞(こうそく)の治療が遅れて後遺症が残る過失があり、791万円の損害賠償金を支払うことで患者と合意したと発表した。市議会の6月定例会に議案を提出する。

 病院の説明では、患者は県内の50代の女性。2010年12月、顔のしびれなどを訴えて同病院の脳神経内科を訪れたが、担当した30代の男性専門医は、MRI検査で脳幹の一部に小さな影があったにもかかわらず帰宅させるなど、十分な措置をとらなかった。

 4日後、女性はめまいで救急車で搬送され、同病院で脳梗塞と診断されて入院したが、今も左半身のしびれが残っているという。

 女性側から調停による損害賠償の申し立てがあり、今月1日、病院が過失を認めて和解することで合意。病院は「年末の忙しい時期で慎重さを欠いた。当初の診断で、入院などの措置が必要だった」としている。」


MRIで脳幹の一部に小さな影があったとのことですが、一般に拡散強調画像(DWI)で白い影が描出されたなら、MRAで詰まった血管を特定し、発症後4時間半以内ならtPA(Tissue Plasminogen activator)を投与します.これができていたなら、後遺症を残すことはなかったでしょう.もし発症後4時間半を経過していたらステント治療を行います.脳梗塞は時間との勝負です.
本件は私が担当した事件ではありませんので、上記報道で知る範囲になりますが、MRIで脳幹の一部に小さな影があったにもかかわらず患者を帰したのは、医師として一般的な対応ではないと思います.


谷直樹


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by medical-law | 2015-04-26 19:23 | 医療事故・医療裁判