弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

武田薬品工業株式会社、米国のアクトス製造物責任訴訟和解で3241億円を引当金計上

武田薬品工業株式会社は、米国時間4月28日、米国における2型糖尿病治療剤アクトスに起因する膀胱がんを主張する製造物責任訴訟を解決する和解に向けた合意に至った発表しました.

「当社は、和解金、本和解に参加しない訴訟の費用、他の関連訴訟の費用として、2015年3月期第4四半期に27億米ドル(3,241億円)を引当計上する予定です。本和解は、現在の原告およびクレーム提起者の95%がその受け入れを選択した場合に有効となり、その割合に達した際に、当社は23.7億米ドルを和解基金に支払います。現在の原告およびクレーム提起者の97%以上がその受け入れを選択した場合、和解基金への支払い金額は24億米ドルになります。」(武田薬品工業株式会社のサイトより)

これで、米国の約9000件のアクトス製造物責任訴訟は和解終了することになりますが、24億ドルの和解金と諸費用3億ドルの出費となります.これは、日本企業が支払った和解金の最高額を更新することになります.
武田薬品は、責任を認めて和解するわけではありませんので、米国以外で(たとえば日本で)同様の訴訟が起こされたとしたら、責任を争うのでしょうね.


谷直樹


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by medical-law | 2015-04-30 02:50 | 医療事故・医療裁判