弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

徳島市民病院,腹腔鏡手術の合併症で500万円賠償へ(報道)

朝日新聞「徳島市、患者に500万円賠償へ 市民病院で医療事故」(2015年5月26日)は,次のとおり報じました.

「徳島市は25日、市民病院で2012年に行った外科手術で合併症が起き、再手術が必要になる医療事故があったとして、患者に500万円の損害賠償を支払う方針を明らかにした。

 市病院局によると、市民病院で12年8月、県内在住の50代の男性患者が腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた後、合併症で出血するなどし、再手術をした。男性は完治したが、経過観察のため現在も通院しているという。

 市は男性側と話し合った結果、「身体的・精神的苦痛を与えた」などとして500万円の賠償金を支払うことで、今年2月に合意した。6月の定例議会に補正予算案を提出する。」


本件は,私が担当したものではありませんが,いわゆる手術の合併症による損害の賠償について参考になる事案だと思います.
一般に,合併症には,回避できた合併症と回避できなかった合併症があります.
合併症と言っても,回避できた合併症については法的責任が発生する場合があります.
腹腔鏡手術後の出血は,術者の技量により差があります.技量の差の問題であれば,過失は問えませんが,具体的事案においては,医療水準として求められるレベルにみたない内容の手技が行われた場合もあります.技量の差の問題と過失が紙一重の微妙なケースもあります.
話し合いによる解決の場合,適正な解決のため,法的責任立証の見込みを勘案しながら,双方が妥協できる解決を模索することになります.
本件は,おそらくそのような過程を経て,「腹腔鏡手術→出血→再手術」により生じた損害について,500万円賠償金を支払うことで解決の合意ができたということなのでしょう.


谷直樹


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by medical-law | 2015-05-26 23:58 | 医療事故・医療裁判