弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

石川県立中央病院,椎間板ヘルニアの手術で神経根を傷つけ痺れ・痛み残した患者に980万円賠償へ(報道)

中日新聞「県立病院で腰手術 後遺症患者に賠償 県側980万円支払いへ」は,次のとおり報じました.

「石川県立中央病院(金沢市)で、腰の手術を受けた患者が後遺症を負ったとして、県側が患者に対し、慰謝料など約九百八十万円の損害賠償を支払うことが分かった。県は九日に開会した県議会の六月定例会に関連議案を提出した。

 病院の説明によると、患者は名古屋市名東区の五十代男性。金沢市内に住んでいた二〇一二年三月、椎間板ヘルニアを再発し、同病院で手術を受けた。その際、担当医が誤って神経根を傷つけたという。

 これにより、男性は尻や太ももにしびれや痛みを発症。二年間にわたり、通院したが、完治しなかった。

 県側は、手術と後遺症との因果関係を認め、損害賠償をする方針を決めた。

 病院の担当者は本紙の取材に、手術前に後遺症のリスクについて説明しているとした上で「医療事故に万全を尽くすのは当然で、一定の過失は間違いない。今後は事故防止に一層、努めていく」と話した。 (前口憲幸)」



本件は私が担当したものではありませんが,私も同様に神経損傷の事案を担当したことがあります.
賠償請求のためには,第1に,誤って神経根を傷つけたという注意義務違反(過失)を,担当医が認めている,または客観的に立証できることが必要です.
第2に,神経根の損傷は,坐骨神経痛を生じ,神経根の支配領域である下肢の痺れ・痛みを生じさせますので,下肢の痺れ・痛みが,時間的近接関係等により神経根を傷つけたことに因るものであることを立証できることが必要です.
第3に,下肢の痺れ・痛みを金銭的に評価する必要があります.金銭的評価は裁判所が用いる方法による必要があります.
医療過誤の基づく損害賠償については,このように,注意義務違反(過失),因果関係,損害という3つの要件を立証できることが必要です.
この3要件の立証が見込まれる場合は,話し合いで,このように示談が成立することも少なくありません.


谷直樹

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by medical-law | 2015-06-10 22:25 | 医療事故・医療裁判