弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

福岡地裁平成27年6月25日判決、術後管理のミスで約1億6千万円の賠償を命じる(報道)

共同通信「福岡大に1億円超賠償命令/「手術後の管理不適切」」(2015年6月25日)は、次のとおり報じました.

 「福岡大筑紫病院(福岡県筑紫野市)で手術を受け、重い後遺症を負ったとして、難病のクローン病患者の男性=北九州市=と親族が、大学と主治医らに計約6億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁は25日、「術後の管理が不適切だった」として計約1億6千万円の支払いを命じた。

 判決理由で青木亮裁判長は、手術中に6リットルの出血があった上、手術翌日に出血して容体が急変した点を挙げ、「術後管理は再度出血することを念頭に置いてすべきだ。主治医ら3人は、血圧や脈拍数に異常があったら連絡するよう、当直の看護師に適切な指示を出すべきなのに怠った過失がある」と認定した。」


朝日新聞「手術で脳障害、福岡大筑紫病院の過失認める 福岡地裁」(2015年6月26日)は、次のとおり報じました.

「福岡大学筑紫病院(福岡県筑紫野市)で手術を受けた男性(40代)の脳に障害が残ったのは、医師が適切な処置を怠ったためなどとして、男性の両親らが医師や病院を運営する福岡大学に約6億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、福岡地裁であった。青木亮裁判長は主治医の過失を認め、約1億6千万円の支払いを命じた。

 男性は消化管に慢性的な炎症や潰瘍(かいよう)が起こる難病のクローン病で、2009年5月に筑紫病院で腸の一部切除手術を受けた。翌日、腸管から出血し、容体が急変。大量出血による低血圧で低酸素性虚血性脳症になり、重い脳障害を負った。

 判決は、男性が手術中にも大量出血していたことから、再出血を念頭に術後管理をすべきだったと指摘。主治医が看護師に適切に指示していれば、早い対応で障害を回避できた可能性があるとして、男性の3人の主治医の過失を認めた。一方、手術の執刀医と担当看護師への請求は棄却した。

 この手術を巡っては、福岡県警が医師や看護師の計5人を業務上過失傷害容疑で書類送検し、福岡地検が不起訴処分(嫌疑不十分)としていた。」


私は、まったく異なる件で、今月、新しくなった福岡大筑紫病院に行ったばかりですが、 本件は、私が担当したものではありません.
福岡地検が不起訴処分としていますが、検察審査会は不起訴不当としています.医療者からは業務上過失に問われることにより医療が萎縮するとして反対する意見が述べられることがありますが,被害者の立場からみると,医療者の医療行為についてすべて業務上過失の罪に問われないとするのは違和感を覚えるでしょう.本件の被害者は歯科医師です.医療者が被害者になったとき、被害者の家族からすれば刑事裁判を求めたいと考えるのは当然ではないでしょうか.

一般に手術に出血・止血はつきものですが、通常以上の出血があった場合、術中、術後の管理の過誤が認められた例は少なくありません.本件は、報道で知る範囲ですが、出血に対しあまりにも無警戒で、過失があることは否定し難い事案と考えます.
また、術後管理の不作為(すべきことをしない)については、最高裁平成18年4月18日判決があり、その考え方は報道の件と類似します.

「主   文
 原判決を破棄する。
 本件を福岡高等裁判所に差し戻す。

理   由
 上告代理人前田豊、同小宮和彦の上告受理申立て理由について

1 本件は、太郎(以下「太郎」という。)が、乙山院長の開設していたY病院において冠状動脈バイパス手術(以下「本件手術」という。)を受けたところ、術後に腸管え死となって死亡したことから、太郎の相続人である上告人らが、同病院のA医師には腸管え死を疑って直ちに開腹手術を実施すべき注意義務を怠った過失があるなどと主張して、乙山院長の相続人である被上告人らに対し、債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を求める事案である。

2 原審の確定した事実関係の概要等は、次のとおりである。

(1) 太郎は、その冠状動脈に狭さくが認められたことから、平成3年2月22日(以下、日のみ記載するときは、いずれも平成3年2月である。)午前11時55分から午後6時30分まで、Y病院において本件手術を受けた。乙山院長から依頼を受けたB教授が執刀し、Y病院のA医師及びC医師が助手を務めた。本件手術には6時間35分を要したが、3本の冠状動脈のバイパス手術としては平均的な時間であった。術後の血圧、脈拍等のバイタルサインは落ち着いており、出血量も少なく、良好な経過をたどっていた。太郎は、同日午後7時15分、半覚せいの状態で手術室から集中治療室に搬入され、23日午前6時ころ覚せいし、特に異常もなく順調に経過した。

(2) 血液ガス分析の結果におけるBE(塩基過剰)値のマイナス側への逸脱は、アシドーシス(酸血症)を示すものであり、マイナス2.5くらいまでは許容値であるが、マイナス5以上は高度のアシドーシスを示すものといえるところ、23日午後3時までのBE値は、マイナス0.2からプラス5.2までの間であった。

(3) 太郎は、23日夕刻、腹痛を訴えたが、腹部所見では筋性防御はなく、腹部膨満は中等度であった。A医師は、この腹痛につき、人工呼吸器抜去後の痛みの訴えの程度としては、通常よりも強いという印象を持った。太郎は、午後8時ころ、鎮痛座薬インダシン50mgの投与を受けた。太郎は、午後10時ころ、深緑色有形便中等量を排せつしたが、潜血の量は多かった。そのころ、太郎の下腹部痛は少し和らいでいたが、胃痛があった。午後6時から午後10時までのBE値は、マイナス0.4からプラス2.4までの間であった。血液検査によれば、白血球数が1万5000個/μl前後と多く、また、じん機能の状況を示す尿素窒素が27mg/dl、クレアチニンが1.9mg/dlと高めであった。

(4) 太郎は、24日午前0時ころから頻繁に腹痛を訴えるようになり、「何で。何で。」、「助けてどうしようもない。」、「きつい、きつい。」等と訴えた。A医師は、精神的不安によるところが大きいと考え、抗不安薬アタラックスPを筋肉注射した。太郎は、午前2時ころ、胃痛を訴え、しん吟を持続させており、また、午前2時30分ころにも、胃痛、腹痛を訴え、鎮痛剤ボルタレン座薬50mgが投与された。BE値は午前0時がマイナス4.8、午前2時46分がマイナス11.3であり、高度のアシドーシスを示していた。A医師は、アシドーシスの原因として急性じん不全、腸管え死を考えたが、よく分からず、様子を見ることとした。その後も腹痛が持続したことから、午前3時50分、より強力な鎮痛剤ペンタジン15mgが投与された。午前4時30分の血液検査によれば、白血球数が1万7200個/μlと多かった。早朝から太郎の腹痛の訴えが強くなったことから、付き添っていた上告人らは、A医師らに対し、腹痛について適切な治療をするよう強く要請した。

午前5時ころ、抗不安薬セルシンが投与され、太郎は、傾眠傾向となったが、午前6時ころから7時ころまでの間、マスクを外す動作を繰り返し、つじつまの合わないことを話し、また、午前7時30分ころにも腹痛を訴えた。BE値は午前5時30分がマイナス16.6、午前6時30分がマイナス15.2、午前7時30分がマイナス16.0であり、いずれも高度のアシドーシスを示すものであった。これを補正するために、メイロンが午前5時30分に80ml、午前6時30分に50ml、午前7時30分に100ml投与されたが、改善されなかった。血液検査によれば、白血球数が1万6600個/μlと多く、肝機能の状況を示すGOT、GPTがいずれも1000IU/l以上と非常に高く、また、尿素窒素が44mg/dl、クレアチニンが2.8mg/dlと高かった。

(5) A医師は、24日午前8時までの間に、アシドーシス、肝機能障害、じん機能障害が認められたので、腸閉そくと判断した。そして、腸閉そくの原因は、上腸間膜動脈血栓症、虚血性腸炎、麻ひ性腸閉そくと想定し、腸閉そくの治療を行うべきであると判断し、循環血しょう量を増やすとともに、腸管のぜん動こう進薬を使用して、腸のぜん動を促す治療を行った。また、常に試験開腹を考えておくべきであると判断した。午前8時ころ撮影のレントゲン写真によれば、腸閉そく像が認められ、ガスが多い状態であった。午前8時ころから9時ころまでの間、意思疎通はなく、腸管ぜん動音はなかった。午前9時ころから10時ころまでの間、太郎は独り言を言い、しん吟した。午前9時40分のBE値はマイナス15.1であり、メイロン100mlが投与された。午前11時から正午ころまでの間、太郎は意味不明なことを話した。午前11時15分のBE値はマイナス14.3であり、メイロン50mlが投与された。正午から午後1時ころまでの間は傾眠傾向にあり、つめの色は不良であった。午後1時のBE値はマイナス15.2であり、メイロン100mlが投与された。午後2時40分のBE値はマイナス12.5であった。

(6) その後、血液の酸素分圧が上がらず、不穏状態であり、投薬にもかかわらず、意識レベルが少しずつ落ちてきて、アシドーシスを補正するための治療を施しても、それが改善されず、全身状態が悪化していった。そこで、A医師は、人工呼吸器により呼吸を補助するために挿管をした。その後、尿量が低下したため、利尿剤が使用されたが、改善されず、じん機能が低下した。A医師は、腹部所見は乏しかったが、アシドーシスが改善されなかったため、やはり上腸間膜動脈血栓症が最も疑われると判断し、同僚医師と相談の上、開腹手術を行うこととし、24日午後3時又は4時ころ、電話で執刀医であったB教授に連絡をとった。BE値は、午後3時30分がマイナス14.4、午後5時15分がマイナス12.7であった。午後6時過ぎころ、B教授がY病院に到着し、同教授とA医師が上告人らに開腹手術の説明をしたところ、上告人X1は手術承諾書への署名をいったんは拒んだが、最終的には署名した。

(7) 太郎は、24日午後7時20分ころ、手術室に搬入され、小腸、大腸部分切除、胆のう摘出、人工肛門造設の手術を受けた。手術時の所見では、腹こう内に腹水が多量にあり、大腸には広範なえ死が認められ、特に下行結腸からS状結腸にかけての部分のえ死が最も高度であった。小腸には末端から20㎝の部分から2.3mにわたりえ死が散在していた。胆のうにもえ死があり、胆のうせん孔によるはん発性腹膜炎が認められた。肝臓、大腸や小腸等のすべての腹内臓器に虚血の所見があった。広範な大腸のえ死部は切除され、横行結腸の健常部分も腸の色としてはきれいなものではなかったため、S状結腸とつなぐことはできず、人工肛門とされた。え死が散在していた小腸の2.3mにわたる部分も切除され、胆のうも摘出された。手術は午後11時25分に終了し、太郎は25日午前0時に手術室から搬出された。

(8) 太郎には、本件手術後の合併症として、何らかの原因で下腸間膜動脈に虚血が生じ、これにより下行結腸及びS状結腸部分を中心に広範な腸管え死が生じ、更に小腸の散在性のえ死や横行結腸、胆のう及び肝臓の虚血も生じ、腹内臓器全体に虚血状態が生ずるに至ったものであるが、腸管え死全体の発生の機序の詳細は明らかではない。

(9) A医師らは、引き続き集中管理体制で治療に当たったが、太郎の意識は回復せず、急性じん不全、急性心不全を来し、太郎は25日午後0時55分に死亡した。

(10) 平成3年当時の腸管え死に関する医学的知見は次のとおりである。腹痛が常時存在し、これが増強するとともに、高度のアシドーシスが進行し、腸閉そくの症状が顕著になり、腸管のぜん動運動を促進する薬剤を投与するなどしても改善がなければ、腸管え死の発生が高い確率で考えられる。腸管え死の場合には、直ちに開腹手術を実施し、え死部分を切除しなければ、救命の余地はない。え死部分を切除した時点で、他の臓器の機能がある程度維持されていれば、救命の可能性があるが、他の臓器の機能全体が既に低下していれば、救命は困難である。このことは、鑑定人G(神戸大学医学部教授)の指摘するところでもある。

(11) なお、開心術後の合併症としての腸管え死は、予後が悪く、死亡率が極めて高く、腸間膜動脈閉そく症例においては、発症後早期の段階で開腹手術を実施した場合とそうでない場合とで救命率に有意な差がないという報告例があった。また、平成3年当時の臨床の現場においては、開腹手術の適応及びその時期の判断は極めて困難であるとされ、一般的には、開心術後の患者の安定度は低く、術後間もない時点で開腹手術を実施することはちゅうちょされる状況にあった。

3 原審は、上記事実関係の下において、当時の太郎の症状等からして、開腹手術の実施は太郎の身体にとって過度の負担となり、危険を伴うので、その実施に慎重になり、その適否と時期を見定めるために経過を観察することは、臨床医学の見地からして、必ずしも非難に値するものとはいえず、遅くとも24日午前8時ころまでに同手術を実施すべきであったということは、極めて困難な判断を強いるものであるなどとした上で、平成3年当時の医療水準に照らすと、A医師に術後の管理を怠った過失があるということはできないとして、上告人らの請求を棄却した。

4 しかしながら、原審の上記判断は是認することができない。その理由は、次のとおりである。

(1) 前記事実関係によれば、平成3年当時の腸管え死に関する医学的知見においては、腹痛が常時存在し、これが増強するとともに、高度のアシドーシスが進行し、腸閉そくの症状が顕著になり、腸管のぜん動運動を促進する薬剤を投与するなどしても改善がなければ、腸管え死の発生が高い確率で考えられていたというのである。そして、更に前記事実関係によれば、①太郎は23日夕刻ころから強い腹痛を訴えるようになり、24日午前0時ころからは頻繁に強い腹痛を訴えるようになった、②同日午前2時30分ころ鎮痛剤が投与されたものの、腹痛が改善せず、午前3時50分にはより強力な鎮痛剤が投与されたにもかかわらず、腹痛は強くなった、③BE値は、同日午前0時には許容値を超え、午前2時46分には高度のアシドーシスを示すようになり、午前5時30分からは補正のために断続的にメイロンが投与されたにもかかわらず、改善されなかった、④同日午前8時ころ撮影のレントゲン写真によれば、腸閉そく像が認められ、ガスが多い状態であった、⑤同日午前8時までの間に腸管のぜん動こう進薬が投与されたにもかかわらず、腸管ぜん動音はなかったなどというのである。

そうすると、太郎の術後を管理する医師としては、腸管え死が発生している可能性を否定できるような特段の事情が認められる場合でない限り、同日午前8時ころまでには、腸管え死が発生している可能性が高いと診断すべきであったというべきであり、G鑑定人も同旨の指摘をしていることが記録上明らかである。

そして、前記事実関係によれば、太郎には、強い腹痛が続き、高度のアシドーシスを示すようになり、A医師自身、24日午前2時46分の時点では腸管え死を疑っていたというのであるから、アシドーシスが開心術後にしばしば見られるものであること、腹膜炎の典型的症状である筋性防御を認めないなど腹部所見が乏しかったこと、開心術後の合併症として腸管え死が発生することはまれであることなど原審が掲げる各事実があるとしても、これをもって、腸管え死が発生している可能性を否定できるような特段の事情があったということはできず、その他、前記事実関係の下で、前記特段の事情があったことはうかがわれない。

したがって、A医師は、上記診断義務を免れることはできない。

(2) そこで、24日午前8時ころまでに、腸管え死が発生している可能性が高いと診断した場合、太郎の術後を管理する医師として、どのような措置を執るべきであったかについて検討する。
 
前記事実関係によれば、平成3年当時の腸管え死に関する医学的知見においては、腸管え死の場合には、直ちに開腹手術を実施し、え死部分を切除しなければ、救命の余地はなく、さらに、え死部分を切除した時点で、他の臓器の機能がある程度維持されていれば、救命の可能性があるが、他の臓器の機能全体が既に低下していれば、救命は困難であるとされていたというのであるから、開腹手術の実施によってかえって生命の危険が高まるために同手術の実施を避けることが相当といえるような特段の事情が認められる場合でない限り、太郎の術後を管理する医師としては、腸管え死が発生している可能性が高いと診断した段階で、確定診断に至らなくても、直ちに開腹手術を実施すべきであり、さらに、開腹手術によって腸管え死が確認された場合には、直ちにえ死部分を切除すべきであったというべきであり、G鑑定人も同旨の指摘をしていることが記録上明らかである。

そして、前記事実関係によれば、太郎の術後のバイタルサインは落ち着いており、出血量も少なく、良好に経過していたというのであり、24日午前8時ころの時点では、太郎の症状は次第に悪化していたとはいっても、太郎の症状が更に悪化した同日午後7時20分には開腹手術が実施されているのであるから、開腹手術の実施によってかえって生命の危険が高まるために同手術の実施を避けることが相当といえるような特段の事情があったとは考えられず、太郎の肝機能やじん機能が低下していたことなど原審が掲げる事実は、上記特段の事情には当たらないというべきである。したがって、A医師は、上記開腹手術実施義務を免れることはできない。

なお、原審は、前記のとおり、開心術後の合併症としての腸管え死は、予後が悪く、死亡率が極めて高く、腸間膜動脈閉そく症例においては、発症後早期の段階で開腹手術を実施した場合とそうでない場合とで救命率に有意な差がないという報告例があること、平成3年当時の臨床の現場においては、開腹手術の適応及びその時期の判断は極めて困難であるとされ、一般的には、開心術後の患者の安定度は低く、術後間もない時点で開腹手術を実施することはちゅうちょされる状況にあったこと等の事実も認定している。しかし、①平成3年当時の腸管え死に関する医学的知見においては、え死部分を切除した時点で、他の臓器の機能がある程度維持されていれば、救命の可能性があるとされていたことは前記のとおりであり、②太郎の腸管え死が上記報告例で取り上げられている腸間膜動脈閉そく症例であるとは判明していないし、③24日午前8時ころは、本件手術の術後既に36時間余りが経過した時点であり、その間太郎の症状は次第に悪化しており、経過観察を続ければ症状の改善を見込める状態にあったとはいえないことは前記事実関係から明らかであるから、上記認定事実は、前記判断を左右するものではない。

(3) そうすると、A医師は、24日午前8時ころまでに、太郎について、腸管え死が発生している可能性が高いと診断した上で、直ちに開腹手術を実施し、腸管にえ死部分があればこれを切除すべき注意義務があったのにこれを怠り、対症療法を行っただけで、経過観察を続けたのであるから、同医師の術後管理には過失があるというべきである。これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由がある。

5 以上によれば、原判決は破棄を免れない。そして、A医師の上記注意義務違反と太郎の死亡との間の因果関係の有無等について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととする。

よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷
 裁判長裁判官 藤田 宙靖
     裁判官 濱田 邦夫
     裁判官 上田 豊三
     裁判官 堀籠 幸男」




谷直樹


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by medical-law | 2015-06-25 21:39 | 医療事故・医療裁判