弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

ドラマ「監査法人」と東芝の不適切会計問題

2008年のNHKドラマ「監査法人」を想い出しました.

ドラマ「監査法人」は,塚本高史さん,松下奈緒さん,豊原功補さん, 勝村政信さん,橋爪功さんが「ジャパン監査法人」の公認会計士役を好演し,監査法人の世界をみせてくれたドラマです.
ドラマの「ジャパン監査法人」は,山一證券,ヤオハンジャパン,カネボウの粉飾決算に荷担した中央青山監査法人がモデルで,ドラマの「東都銀行」は破綻した足利銀行がモデルでしょう.ドラマは,循環取引、売上架空計上等の不正を知った公認会計士の苦悩と戦いを描いていました.クライアントからの報酬で成り立つ監査法人においてクライアントの不正を糺さねばならない,厳格監査と温情監査の間で揺れる公認会計士の仕事と心情を描いていました.

リアルでは,中央青山監査法人は2か月の業務停止処分をうけ,みすず監査法人となり,みすず監査法人も日興コーディアル事件で廃業となり,現在では,世界の4大に対応した新日本,あずさ,トーマツ,あらたの4大監査法人体制になっています.

ところで,東芝の不適切会計問題は,当初,インフラ関連の工事で過去3年間の営業利益を500億円程度修正する必要があるというものでした.
最近,テレビ、パソコン、半導体などの事業でも不適切会計が行われていたことが判明し,過去5年間の決算で営業利益を過大計上していた金額が1500億円超になるとの見通しで,過大に計上していた連結営業利益が最大で2000億円程度になる見通しと報じられています.

東芝の会計監査を担当したのは,新日本監査法人です.不適切会計を見抜けなかったのか,見過ごしたのか,どちらなのでしょうか.
オリンパスの粉飾決算事件では,2012年にあずさ監査法人と新日本監査法人に業務改善命令が下されました.
東芝の不適切会計問題ではどうなるのでしょうか.


医療事件の患者側弁護士は,依頼者から調査費用を受け取って事件の見通しを調査し報告します.調査は,裁判にしたときの見通しを報告するものですから,甘い見通しを報告することは依頼者のためになりませんので,お気持ちは理解しながらも,提訴が難しいものは難しいことを根拠を示して報告します.また,例えば,過失は認められる可能性があるが,因果関係立証が「相当程度」どまりで,賠償金額は少額にならざるをえない,という報告になることもあります.
依頼者から調査費用を受け取って,依頼者の期待にそえない調査結果になることもあるのです.
もちろん,明らかに責任が立証できない事案については最初から調査をお引き受けしませんし,調査契約前に依頼者の期待にそえない調査結果になることもあることを御説明しているのですが,医療側に責任があるという結論を強くおもちの依頼者は,調査結果に御納得されないこともあり,報告者として残念な思いをすることもあります.それでも,依頼者のために専門家として適正厳正な調査報告を続けていきたいと思います.


谷直樹


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by medical-law | 2015-07-09 01:41 | コンプライアンス