弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

千葉県がんセンター,再発防止に向けた研修会で多田羅浩三氏が講演

NHK「腹くう鏡手術問題 検証委が医師などに講演」(2015年10月7日)は,次のとおり報じました.

「千葉県がんセンターでは、7年前から去年2月までの間に腹くう鏡を使った手術を受けた患者11人が相次いで死亡し、第三者による検証委員会は、多くのケースで手術方法の選択などに問題があったと指摘しています。
6日は、がんセンターで医師や看護師が出席して再発の防止に向けた研修会が開かれ、検証委員会の多田羅浩三会長が講演しました。
この中で多田羅会長は、患者の家族から手術方法を選べる雰囲気ではなかったという声が出ていることを紹介し、「患者から信頼されているという油断やおごりから、患者との関係を十分に築けなかったことが、問題の根底にある」と指摘しました。そのうえで、再発の防止には、「患者や家族と共に病気と闘っていくという認識を持つことが重要だ」と訴えました。
千葉県がんセンターの浜野公明診療部長は、「職員に問題の根底を知ってほしい。患者との関係を築けば、おのずとよい医療につながるので、改革に生かしたい」と話していました。」


東京新聞「県がんセンター腹腔鏡事故 医師に油断、おごり 検証委会長が講演」(2015年10月9日)は,次のとおり報じました.

「検証委の会長を務めた多田羅浩三・日本公衆衛生協会長が、「患者が医師を信頼して任せきりになり、医師の側に油断やおごりが出てきたことが、今回の問題の背景にある」と訴えた。」
多田羅氏は「患者は病気を持っているため弱い立場にあり、患者と医師が対等でないことが問題」と指摘。「医療者は患者や家族と、病気や手術の課題の情報を共有し、共に病気と闘っていく認識を持つことが求められる」と呼び掛けた。
 その上で再発防止に向け、「十分な説明と同意」(インフォームドコンセント)や、第三者の判断を求める「セカンド・オピニオン」が重要であると強調した。 (村上一樹)」


 裁判所では,説明義務違反にも高いハードルが課せられていますが,弱者である患者に対する医師の説明義務のありかたに思いを巡らせてほしいと思います.医師・患者関係の改善によって,医療が臨床に有効に活用されると思います.


谷直樹


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by medical-law | 2015-10-09 19:47 | 医療