弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

急性弛緩性麻痺/急性弛緩性脊髄炎ならびに喘息様症状を認める急性呼吸不全症例の多発について

公益社団法人日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会は, 平成27年10月23日,会員に「急性弛緩性麻痺/急性弛緩性脊髄炎ならびに喘息様症状を認める急性呼吸不全症例の多発について」を発しました.

「今年8月末頃から9月をピークに、全国各地で喘息様症状を呈する下気道炎患者が急増し、中にはICU入室、人工呼吸管理、ECMO管理が必要となる急性呼吸不全症例が発生しています。また、一部の症例からはEV-D68が検出されたとの報告があります。

また、上記とほぼ同時期に、急性弛緩性麻痺症状を呈する急性弛緩性脊髄炎症例が全国から相次いで報告され、日本小児神経学会を中心に情報共有と検討が進んでいます。一部の症例の咽頭ぬぐい液からはEV-D68が検出されており、エコーウイルス、コクサッキーウイルス等、その他のウイルスが検出されている症例もあり、感染拡大予防法、治療法等を確立するためには原因究明が急がれます。2015年9月の本学会雑誌には、2013年に発症したエンテロウイルスD68型が検出された急性呼吸不全と急性弛緩性麻痺を来した1例が症例報告されました。」


そこで,「2015年10月21日に厚生労働省から発出された下記「急性弛緩性麻痺(AFP)を認める症例の実態把握について(協力依頼)」をご確認いただき、このような患者さんを診療された会員におかれましては、最寄りの自治体(保健所)に別添の事務連絡の最後の頁にある「別添様式:医療機関記入様式」によりご連絡くださいますようお願い申し上げます。」と呼びかけています.
  
NHK「都内の病院 20人以上からエンテロウイルス」(2015年10月29日)は,次のとおり報じています.

「都立小児総合医療センターでは先月中旬から今月初めにかけて150人ほどの子どもがぜんそくに似た症状を訴えて入院し、これまでに20人以上から「エンテロウイルスD68」が検出されたということです。」
「子どもの治療にあたった都立小児総合医療センター感染症科の堀越裕歩医長は「呼吸器の症状を訴える子どもは、例年であれば秋から冬にかけてが多く、おかしいなと感じた。子どもたちの中には、数は少ないが集中治療室に入って人工呼吸器をつけなければならないケースもあった。パニックになる必要はないが、かかったことがない人は症状が重くなることもあるので、手洗いやせきエチケットなどの対策を徹底してほしい」と話していました。」


これから寒くなると,呼吸器の症状を訴える小児がふえ,小児科医はその対応に追われることになるでしょうが,EV-D68によるものを見逃さないようにお願いしたいと思います.患者側も,いったん帰されても症状が続く場合は,早めに再受診するほうがよいでしょう.


谷直樹


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by medical-law | 2015-10-30 07:40 | 医療