弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

京都花園の病院で看護師3人が同時に仮眠をとり人工呼吸器の異常を知らせる警告音に気づかず患者死亡

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NHK「仮眠でアラーム気付かず患者死亡 病院長ら書類送検」(2015年11月26日)は,次のとおり報じました.

仮眠でアラーム気付かず患者死亡 病院長ら書類送検
ことし8月、京都市の病院で男性患者の人工呼吸器に不具合が起き、アラームが鳴ったにもかかわらず、当直の看護師らが仮眠をしていて気付かず、患者を死亡させたとして、院長ら3人が業務上過失致死の疑いで書類送検されました。
警察によりますと、ことし8月4日の午前3時ごろ、京都市右京区の泉谷病院で、2階の病棟に入院していた76歳の男性患者の人工呼吸器に不具合が起き、アラームが鳴ったにもかかわらず、当直の3人の看護師全員が仮眠を取っていて気付かなかったということです。3階にいた別の看護師がアラームに気づいて駆けつけ、3人を起こしましたが、男性は低酸素脳症で死亡したということです。
この病院では、入院患者がいるフロアごとに当直の看護師を配置していましたが、警察によりますと、看護師長は「10年ほど前から、当直の看護師は全員が同時に仮眠していた。アラームには誰かが気付くだろうと思っていた」と話しているということです。
警察は、医療事故につながりかねない当直の状況を改善せず、患者を死亡させたとして、68歳の院長と40歳の看護師長、それに亡くなった患者の担当だった30歳の看護師の3人を、業務上過失致死の疑いで書類送検しました。 」


関西テレビ「看護師を適切に配置せず入院男性死亡 京都市の院長ら3人書類送検」(2015年11月26日)は,次のとおり報じました.

「2015年8月、看護師を適切に配置せずに人工呼吸器のエラーを見逃して、入院患者の男性を死亡させたとして、京都市の病院の院長ら3人が書類送検された。
業務上過失致死の疑いで書類送検されたのは、京都市右京区にある泉谷病院の院長の男性(68)ら3人。
院長らは、2015年8月に、当直中の看護師3人全員に仮眠をとらせた結果、寝たきりの男性患者の人工呼吸器のエラーに気づかず、低酸素脳症で死亡させた疑いが持たれている。
警察によると、この病院では、以前から、当直の看護師に同じ時間帯に仮眠をとらせていて、過去にも同じようなトラブルがあったという。
調べに対して、3人はいずれも容疑を認めている。 」


京都新聞「人工呼吸器異常気付かず死亡 京都の病院、当直同時に仮眠」(2015年11月26日)は,次のとおり報じました.

「人工呼吸器の異常に気付かず、入院中の患者を死亡させたとして、京都府警捜査1課と右京署は26日、業務上過失致死の疑いで、京都市右京区花園伊町、泉谷病院の××××院長(68)=大津市=と、女性看護師長(40)=中京区、女性看護師(30)=南丹市=の3人を書類送検した。

 書類送検容疑は、8月4日午前3時ごろから約40分間、同病院2階で入院していた伏見区の男性(76)の人工呼吸器の異常を知らせる警報音が鳴っていたことに気付かず、適切な処置が遅れ、低酸素脳症で死亡させた疑い。

 府警の説明では、当時は当直時間帯で、男性の担当だった女性看護師を含む3人の看護師は全員仮眠中だった。3階の別の看護師が異常に気付いたが、男性は死亡していた。呼吸器の管の接続部が外れていたという。同病院では、約10年前から当直の看護師が全員同じ時間帯に仮眠する状態が続いていたという。

 府警によると、××院長ら3人は容疑を認め、看護師長は「今まで事故が起こらず、(全員同時仮眠を)黙認していた」、看護師は「警報音が鳴れば誰かが気付くと思って寝てしまった」と供述している、という。

 ××院長は取材に対し、「このような事故が起こり、申し訳ない。深夜の看護師の勤務態勢を再度確認し、再発防止に努める」と話した。」


過去にも同じようなトラブルがあったにもかかわらず,看護師長は「今まで事故が起こらず、(全員同時仮眠を)黙認していた」と述べています.おそらく,過去のトラブルでは,死亡前にたまたま発見できたのでしょう.
死亡事故が発生する前に,体制を変えるべきでした.
「救命救急」を立院の目的としてする病院で,人工呼吸器をつけモニターしている病院でそのフロアーの看護師3人が全員同時仮眠をとる体制は,異常だと思います.
担当の看護師だけではなく,院長と看護師長を送検したのは,適切と思います.

谷直樹


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by medical-law | 2015-11-27 05:03 | 医療事故・医療裁判