弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

血液製剤,ワクチンを不正製造し,製造記録を偽造した化血研の第三者委員会の調査報告まもなく公表へ

一般財団法人化学及血清療法研究所(化血研)が第三者委員会の調査報告を11月25日に受領し,12月上旬に開催予定の平成27年度第7回薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会運営委員会に報告した後,ホームページで開示すると発表ました.

化血研は,ワクチンのシェアも大きく,血液製剤では国内トップの製薬企業です.
ところが,化血研は,1990年頃から,製造承認書とは異なった成分を加えるなどして医薬品を不正に製造し,PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)の調査には,承認書通りに製造したとする偽造の製造記録を示していました.
承認書と異なった成分の医薬品は,安全性が確認できませんし,その製造は違法です.
製造記録を偽造するなど,きわめて悪質な事案です.
化血研は,HIV訴訟の被告企業で,あの裁判のときに不正製造を行っていたのです.

【追記】
朝日新聞「化血研、110日間の業務停止へ 厚労省方針」(2015年12月30日)次のとおり報じました.

 「化学及(および)血清療法研究所(化血研、熊本市)が国の承認とは異なる方法で血液製剤をつくっていた問題で、厚生労働省は、医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づく化血研への業務停止命令の期間について、最長となる110日間とする方針を固めた。厚労省はすでに化血研に処分方針を伝えており、弁明を聞いたうえで年明けに最終決定する。

 厚労省によると、化血研の歴代理事長ら上層部が不正製造や記録の偽造を認識し、長年にわたって組織的に続けられてきたことを重くみた。製造販売許可の取り消しも検討したが、血液製剤やワクチンが供給されなくなると、患者への影響が大きいため、許可取り消しに次いで重い業務停止とし、期間も最長とすることにしたという。

 業務停止期間がこれまでで最も長かったのは、抗がん剤との併用による副作用で死亡が相次いだ抗ウイルス剤「ソリブジン」の問題で、製造元の日本商事(当時)が1994年に受けた105日間。」



谷直樹


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by medical-law | 2015-11-28 07:45 | 医療