弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

稚内市立病院、急性散在性脳脊髄炎を疑い悪性リンパ腫の疑い診断と転医遅れ4600万円で和解(報道)

朝日新聞「稚内市立病院で搬送遅れ、遺族に4600万円支払い」(2015年11月25日)は、次のとおり報じました.
 
「北海道稚内市と市立稚内病院は24日、同病院から他の医療機関へ搬送後に死亡した未成年の女性について、病院側に転院搬送の判断が遅れる過失があったとして、遺族に慰謝料など約4618万円を支払うことを明らかにした。市は来月1日開会の定例市議会に議案を提出する。賠償金は病院が加入する病院賠償責任保険から支払われるという。

 病院によると、女性は稚内市に住んでいた2013年11月、同病院で急性散在性脳脊髄(せきずい)炎などの疑いと診断され、入院治療を2回受けた。14年1月に3回目の入院をした際、腹部CT(コンピューター断層撮影)検査で悪性リンパ腫が疑われ、同病院では治療が困難として、すぐに高次医療機関に搬送されたが、3月に亡くなった。

 遺族の両親は同年10月に代理人弁護士を通じ「早期に転院搬送すべきだった」などと主張。同病院は「悪性リンパ腫の発見が遅れたのは事実で、転院搬送の遅れが過失に当たるとする主張を認めた」(波間常次郎事務局長)としている。」


この件は私が担当したものではありませんので、どのような症状があったか、どのような検査を行ったかは、上記報道以上にはわかりません.
ただ急性散在性脳脊髄炎と悪性リンパ腫の鑑別には、MRSが有用です.
悪性リンパ腫は、リンパが腫れますが、痛みもなく、それ以上に特徴的な症状がありませんので、一般に診断は難しいといえるでしょうが、医師は急性散在性脳脊髄炎を疑っていたのですから、悪性リンパ腫との鑑別のためにMRSを実施すべきで、MRSを実施しなかったとすれば、過失が認められるでしょう.


 谷直樹


ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2015-12-07 01:31 | 医療事故・医療裁判