弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

気仙沼市立病院,弁護士会の紛争解決支援センターの和解案を受け入れず,遺族が提訴(報道)

河北新報「病院当直体制不備で男性死亡 遺族が提訴」(2015年12月2日)は,次のとおり報じました

「気仙沼市立病院(宮城県気仙沼市)を受診した同市の男性会社員=当時(31)=が死亡したのは、当直時間帯の救急医療体制に不備があったためだとして、男性の遺族が1日までに、市に約9330万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。
 訴えによると、男性は昨年3月16日夜、喉の強い痛みと呼吸困難を訴えて病院を受診した。当直の男性医師が男性を入院させたが、男性は翌17日未明に容体が急変。急性へんとう炎などにより同日夜に死亡した。男性医師はカルテに「呼吸困難なし」と記していた。
 遺族側は「呼吸困難の症状を専門医に正しく伝えていれば専門医自らが診察したか、適切な指示を仰げたはずだ。病院の救急医療体制が不十分だったため、死亡した」と主張している。
 市総務課は「訴状の内容を精査し、適切に対応したい」と話した。
 遺族は昨年10月、仙台弁護士会の紛争解決支援センターに和解あっせんを申し立てた。センターは市が5500万円の解決金を支払う和解案を提示したが、市が受け入れなかった。」


本件は私が担当したものではないので,詳しいことはわかりませんが,急性扁桃炎が悪化し,急性喉頭蓋炎になって,死亡した事案なのでしょうか.
夜間救急に,耳鼻咽喉科の医師がいないと,できることが限られてしまいます.
夜間救急に耳鼻咽喉科の医師がいないのはやむをえないことでしょうが,急性に悪化する耳鼻咽喉科の疾患を発症した患者が亡くなるのはやむをえないことではないと思います.
翌朝まで待てない耳鼻咽喉科の救急疾患が疑われるようなら,耳鼻咽喉科の医師を呼ぶべきでしょう.
呼吸困難の有無が争われていますが,喉の痛みを訴える患者のなかには,急性喉頭蓋炎に発展する患者もいますので,呼吸困難がさほどではなくても耳鼻咽喉科の医師の診察が必要です.
耳鼻咽喉科医師の診察までつなげれば,内科医師の責任はありません.

なお,弁護士会の紛争解決支援センターの和解案を受け入れない病院は,自治体が開設した病院が多いような気がしますが...


谷直樹


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by medical-law | 2015-12-08 00:03 | 医療事故・医療裁判